筑豊目指した西鉄宮地岳線「幻の計画」 鹿児島本線に残る橋台の謎
西鉄の貝塚線は約10年前まで「宮地岳線」を名乗り、宮地嶽神社の近くを通って津屋崎に至る路線でした。しかし、かつては津屋崎には行かずに筑豊地域まで伸ばす計画で、その遺構が鹿児島本線の線路の脇に残っています。幻の計画の名残をたどってみました。
津屋崎に伸ばす計画ではなかった
鉄道路線の多くは別の鉄道路線と接続してネットワークを構成していますが、なかには起点と終点のどちらかが別の鉄道路線とは接続しておらず、終着駅の末端で線路が途切れている路線もあります。いわゆる「行き止まり線」「盲腸線」です。
こうした路線のなかには、さらに先まで線路を伸ばす計画があったものの、さまざまな事情から中止された経緯を持つものが多数あります。大手私鉄の西日本鉄道(西鉄)が運営する福岡県の貝塚線も、幻に終わった未成区間がある鉄道路線のひとつです。
西鉄貝塚線は貝塚駅(福岡市東区)から博多湾や玄界灘に沿って北上し、西鉄新宮駅(新宮町)までを結ぶ11.0kmの鉄道路線です。かつては宮地岳線を名乗っており、西鉄新宮駅から宮地嶽神社の近くを通って津屋崎駅(福津市)までを結んでいましたが、約10年前の2007(平成19)年に廃止されました。廃線跡は現在、住宅地や太陽光発電装置の設置場所として活用されています。
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Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)
鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。
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