駅のプラットホーム、番号はどうやって付けている? 欠けたり戻ったりすることも
列車に乗り降りするときに使う「プラットホーム」。このプラットホームが複数あるときは「1番線」「2番のりば」などと案内されていますが、一部の番号が欠番になっていたり、番号の順番が変則的な駅もあります。実際にどのような法則で番号が振られているのでしょうか。
基準は「駅長室」や「上下線」など
駅には「プラットホーム」または「ホーム」と呼ばれる乗り場があります。ホームの片側、もしくは両側に線路が隣接。この線路に停車した列車に乗り込んだり、車両のドアからホームに降りたりできます。
ある程度大きな駅では上り列車の乗り場と下り列車の乗り場、あるいは上越線乗り場と北越急行ほくほく線乗り場というように、ホームと線路を複数設けて乗り場を分けています。このような場合、ホームと線路に番号を振って「ほくほく線の列車は4番線から発車します」と案内し、客の乗り間違いを防いでいます。
ところで、この番号はどのような法則に基づいて振られているのでしょうか。
鉄道関係の法令では、ホームや線路の番号の振り方について、とくに定められていません。とはいえ1番線、5番線、3番線、8番線……のように、とびとびの数字で行ったり来たりすれば分かりにくいだけ。とくに定めがなくても、1番線から2番線、3番線……と、1から順に数字を振るのが普通でしょう。
ただ、どの線路を1番線にするかは鉄道事業者によって異なるものの、一定の法則はあります。かつての国鉄は、駅長室がある駅舎に一番近い線路を1番線にするのが基本だったようです。たとえば東西両側に駅舎があり、駅長室が東側の駅舎にある場合、東側の線路から1番線、2番線、3番線と番号を振っていました。
私鉄などでは、下り線を若い番号にするといった法則を採用しているところもあります。秋葉原~つくば間を結ぶつくばエクスプレスは、下り線(つくば方面)が若番、上り線(秋葉原方面)が老番。線路がふたつなら1番線が下り列車、2番線が上り列車の乗り場になります。
なお、駅には回送列車など、営業運転を行わない列車が停車するための業務用の線路が設けられることもあります。このような線路はホームに接していない場合があるものの、番号は振られていることが多いです。JR名古屋駅の場合、在来線の1番線から13番線までのうち9番線はホームがない線路。このため旅客列車の案内上では9番線が欠番で、7、8番線ホームの次は10、11番線ホームが続いています。
ホームを増やしたときはどうする?
ところで、駅が開業したあとにホームや線路を増やすときはどうするのでしょうか。たとえば1~4番線が設置されていて4番線の隣に線路を増設するなら、その線路は数字がひとつ大きくなって5番線とするのが一般的です。
一方、1番線の隣に線路を増設する場合、全体で番号を振り直すこともありますが、数字をひとつ減らして「0番線」にしたり、あるいは「01番線」などとした番号を割り振ることもあります。もっとも、1番線に隣接して駅舎が設置されていることが多いため、1番線側にホームや線路が増設されることはほとんどありません。「0番線」のホームと線路はひじょうに珍しいといえます。
また、1~4番線がある在来線の駅に新幹線のホームを増設する場合、新幹線は11~14番線として5~10番線を欠番とすることが多くなっています。在来線=1の位、新幹線=10の位で区別し、分かりやすく案内できるようにしているのです。
ただ、JR東京駅(京葉線を除く)は西側から1~10番線(JR東日本の在来線)が並んだあとに20~23番線(JR東日本の新幹線)に飛び、少し戻って14~19番線(JR東海の新幹線)が並ぶという変則的な付番で、ちょっと分かりにくくなっています。これはホームを増設したときの番号の振り直しが絡んでいます。
かつては1番線から19番線まで(11番線は回送線、1988年廃止で欠番)順番に並んでいました。しかし、JR東日本が1997(平成9)年の北陸新幹線(長野新幹線)開業に対応するため、当時の1番線から13番線までの範囲でホームと線路を増設。そのまま線路番号を振り直すと1~14番線になり、14番線はJR東海が管理する新幹線の線路番号と重複してしまいます。そこでJR東日本は新幹線ホームを19番線の続番にして重複を避けたのです。
このように、駅構内のホームと線路の番号は一定の法則がある一方、さまざまな理由による例外もあります。もし番号の振り方が変則的な駅を見かけたら、そうなった経緯や理由を調べてみるのも面白いでしょう。
【了】
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