【廃線跡の思い出】南国の地を走った大東糖業専用鉄道を訪ねる

かつて沖縄県の南大東島には大東糖業専用鉄道が存在していました。サトウキビ輸送に特化した鉄道でしたがトラック輸送に切り替わり、鉄道輸送の役目を終えました。廃止から23年後、同鉄道を訪ねてみました。

沖縄県に存在した専用鉄道

 戦前には軽便鉄道や馬車鉄道、路面電車などが存在した沖縄県。利用者の減少による廃止や戦争による破壊で消滅し、2003(平成15)年に沖縄都市モノレール(ゆいレール)が開業するまでは、常設の営業路線が唯一存在しない都道府県でした。

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沖縄本島の那覇市内に保存されている大東糖業専用鉄道のディーゼル機関車5号機(2006年2月、草町義和撮影)。

 しかし、営業路線に限らなければ、一部の島に特殊な鉄道がありました。そのうちのひとつが南大東島(沖縄県南大東村)。すぐそばに北大東島があるほかは周囲約350km以内に有人島はまったくなく、まさに絶海の孤島です。1900(明治33)年からサトウキビ栽培を目的に人が住むようになり、サトウキビを運ぶための鉄道も整備されました。

 戦後は製糖メーカーの大東糖業が全長20km以上の専用鉄道を運用。島内で収穫されたサトウキビを製糖工場に運んだり、あるいは製糖工場で製造された砂糖や糖蜜を港まで運ぶ「シュガートレイン」が運行されていたのです。しかし、森林鉄道などと同様にトラック輸送に切り替えられ、1983(昭和58)年に廃止されました。

大量の機関車が残っていると聞いていたものの

 南大東島を訪ねたのは2006(平成18)年2月のこと。沖縄本島の那覇空港からプロペラ機で約1時間かかりました。ほかに那覇~南大東間を結ぶ船もありますが、約15時間かかるうえ、週に1~2回しか運航されません。

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那覇~南大東間を結ぶプロペラ機(2006年2月、草町義和撮影)。
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船もあるが那覇からは15時間かかる(2006年2月、草町義和撮影)。

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Writer:

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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