露天風呂まで! 長距離フェリー、どこまで進化するのか?

商船三井フェリーの専用バルコニー付き個室、阪九フェリーの露天風呂付き展望大浴場、太平洋フェリーのラウンジショーなど、最近の長距離フェリーはさながら「動く海上ホテル」。目的地まで格安でクルーズ気分を味わえます。

2019年は「フェリーでクルーズ元年」?

【本記事は、旅行読売出版社の協力を得て、『旅行読売』2019年6月号に掲載された特集「遊覧船から長距離フェリーまで ふらっと船旅 絶景さんぽ」内のコラム記事「進化を続ける長距離フェリーで快適な旅を」を再構成したものです】

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 30年前の1989(平成元)年は、「日本のクルーズ元年」と呼ばれた。初の国産クルーズ客船が登場したからだ。そして元号が「令和」に変わる2019年は、「フェリーでクルーズ元年」となるかもしれない。

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阪九フェリーの泉大津航路の船に備わる露天風呂。

 長距離フェリーといえば、だだっ広い和室に大勢の人たちが川の字で眠る、退屈な長い時間を過ごす移動手段というイメージが強い。

 だが、それはもう過去の話だ。最近のフェリーは、個室が大幅に増加。大部屋をなくし、個室のみという船も登場している。同時に、バルコニー付きのハイグレードキャビンを有する船も増えた。

 施設の充実もめざましい。例えば、阪九フェリーのように、展望大浴場に露天風呂を併設するフェリーも珍しくなくなっている。

 船内イベントや食事の進化にも注目だ。名古屋~仙台~苫小牧を結ぶ太平洋フェリー「いしかり」「きそ」では、一流エンターテイナーによるラウンジショーが毎晩開かれている。タヒチやエーゲ海をイメージした船内レストランでは、バイキング形式で北海道・東北・名古屋などの旬の料理を味わえる。

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コメント

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6件のコメント

  1. 100年も待たずにリアルに宇宙へ行けるフェリーが出来るかも

  2. 新きたかみに関しては若干カジュアルに振った感はあるものの旧きたかみの船齢や就航する航路が仙苫であること、その後継船であることを考慮すれば妥当なところでしょうね
    阪九いずみ、ひびきの露天風呂やニューながと、あかし姉妹以来のロイヤルルームなど正に動くホテルの名に相応しい旅情緒を誘うクルーズ船に劣らない発想の船だと思いますね、加えて便利なのが乗用車甲板と案内所や客室フロアを直結した設計で乗り場で渡される客室カードキーを片手に直接アクセスできる利用者に配慮した設計
    これは阪九のライバルである名門大洋の新造船も同じで案内所で受けとる客室のシリンダーキーとの違いはあれど利用者に配慮された画期的な船ですね
    但し決して避けて通れない問題として何れも歴代船と比較して随所にコストダウンの痕跡が素人目にも分かるような作り、鉄の高騰や建造費用など様々な要因から浮いて出てくるコスト重視の影、姉妹船に近い太平洋フェリーきそ、いしかり、いしかりの建造費はきその倍近くとも言われてましたね
    スピード重視の時代の中に見落としてきた風景を改めて見直す機会として船旅は最高の移動手段だと思いますね。
    商船三井フェリーやそのグループに属するフェリーさんふらわあのように新造船経費をまるごと運賃にふっかけて割引を縮小してツアーや自社の株主ばかりを優待して一般客の乗船の機会を削ぐような企業もあれば阪九フェリーのように運賃を据え置き船旅の良さを全ての利用者にアピールする企業もあるし、結局は何においても利用者を同じ土俵で扱う企業が生き残ると言ったところでしょうね
    貨物で利益を上げるフェリーが何故に赤字の危険をおかしてまで旅客サービスを維持するのか?、それは根強い眠りから未だ覚めない需要があるからですね

    • 結局のところ、日本人の旅行のニーズとは“速度”一辺倒なんですよね。
      さっさと行って旅先を周り、さっさと帰ってくる。航空や鉄道(新幹線)にやたらシェアが偏っているのは露骨なまでにそれを証明しています。
      つまり、“移動さえをも楽しむ”という考え方が極めて希薄だと思います。旅好きな国民であると言われながら、もう何十年か“せっかち”スタイルの概念に縛られていて、旅の醍醐味の半分位を放棄している、正直に言って旅下手な国民でもあると考えます。

      勿論、高速度の移動がもたらしてくれる恩恵は計り知れないものがありますし、私もその恩恵に預かっています。が、何と言いましょうか・・・こと旅行に関しては、わが国民は創造性に著しく乏しいというか・・・。

      フェリー事業者の、昨今の新船投入はトラックドライバー不足を補うという趣旨の他、高速度一辺倒の旅行スタイルに「待った」をかけてくれるものと期待しています。
      私も阪九さんや名門さんを利用していますけれど、従来のカーフェリーと思えないほどの旅客設備には脱帽しますし、あの快適性・居住性は、航空や鉄道がひっくり返ったってマネ出来るものではありません。

      人口減少時代とはいえ、まだまだ多い。
      暫くは旅客数もある程度は見込める中で、如何に移動を楽しむというスタイルの旅行を提供していくか。トラックの完全自動運転もドローンによる荷物移動もいずれは実現するでしょうから、それまでに「ドライバー不足需要」に頼らないように持っていくことが、さしあたっては課題になるかと考えます。

  3. 阪九フェリーの瀬戸内デイクルーズで露天風呂から見上げた瀬戸大橋でマリンライナーが頭上を通過した絶妙のタイミングは正に神がかり!
    阪九フェリーは過去のデイクルーズでも定期運賃でデイクルーズを企画してくれたので感謝の極み!
    こういう赤字覚悟が後の利益につながるんだよね
    神戸から新門司で車積んで個室40000円弱でしたからね

  4. 思いがけず(?)夜行バスは深刻な運転士不足による不安が出てきている中で、フェリーはそのような心配もないであろうから有利な状況になったように思う。原油価格に左右される不安こそあるが、価格も比較的お値打ちで風呂もレストランも眺望も楽しめて便利。今後は原油を使わないフェリーを開発していただき、よりエコで安定したものになってくれることを願うばかり。

    • バスやトラックの場合を診るとドライバー不足をかえりみない過剰な事業認可もドライバー離れに拍車なんですよ
      結局はこの辺りの事情から今はフェリーに追い風が吹いてるだけの話で楽観はできないでしょうね、更に原油価格に加え今度は排ガス規制に対応しなければならない、硫黄分の少ない燃料に代替えするにも未だ具体案には至ってないし、トラック同様に規制に対応すべく存続船に装置を付けるコストなど後に更に利用者に負担を強いらなければならない現実もあることから現在の燃料変動負担金に関しても直に利用者にお願いしにくいところが現実なんでしょうね
      最大の得意先である運送会社に関しては尚更のことでしょう、各フェリー会社もトラックドライバー不足と法令強化を追い風に新造船を就航させたものの吉と出るか凶と出るかはこれからの話でしょうね、すでに造船会社の造船バブルは終了してますしね、私自身はたかだか物流の担い手不足を追い風に短期間に新造船を発注したことは凶と出ると診ております。