実現しない360km/h運転、なぜ東海道新幹線で試験したのか スピードアップ予定無し

しかし東海道新幹線、スピードアップの可能性「まったくない」

 JR東海によると、この次世代新幹線「N700S」による360km/h運転の試験では、良好な結果が得られているとのこと。しかし東海道新幹線の最高速度を現在の285km/hから引き上げる計画は、現在のところ「まったくない」といいます。

「ひとつの列車を速くするより、総合での時間短縮を狙います」(JR東海 新幹線鉄道事業本部 副本部長 上野雅之さん)

 特に速い列車が後ろから走ってきた場合、その前を走る列車は道を譲らねばなりません。その道を譲る時間などがタイムロスになるため、かんたんにいうと全ての列車が同じ速度で走っているほうが輸送効率は高くなりますし(運転本数も増やせる)、「東海道新幹線」というシステム全体において、時間などのロスが少なくなります。そこを目指しているというわけです。

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前面展望映像も用意されたN700S試験列車の車内(2019年6月6日、恵 知仁撮影)。

 東海道新幹線では2020年春のダイヤ改正で、1時間あたりの最大運転本数が「こだま」3本、「ひかり」2本、「のぞみ」10本から、それぞれ3本、2本、12本になります。最高速度270km/hの古い700系が引退し、東海道新幹線の車両が最高速度285km/hのN700系に統一され、“効率”が良くなるためです。

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コメント

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7件のコメント

  1. さすがはJR倒壊だな売名の為に旧幹線で360キロか?
    700系の存在がそんなにダイヤに影響を及ぼすとは知らなかったな
    0系や100系ならまだしも、やはりカーブの通過速度なのだろうか?
    阪神や京急のように普通列車に俊足な車両を用いる意図がよくわかる
    小田急のように幅広ドアと標準ドア車両の混合編成とかチャランポランな会社は是非見習ってほしいな

  2. 東海道新幹線はカーブが多くて、360km走行の恩恵が少なくても、後から建設して、相互乗り入れ運行している山陽新幹線には、360km走行の恩恵がある、と記述しても良かったのではないかな?

    • 「東海道新幹線に限らない」というコメントからすると、推察のとおりでしょう。
      さらに勘ぐると九州新幹線の勾配・短編成にも対応する標準車両にする、という狙いもあるのではないかと。
      今後山陽新幹線での走行試験が行われるかどうかかが気になりますが、やるべきでしょう。

    • つか普通に山陽新幹線でも走行試験やるでしょ、乗り入れるんだし。
      九州新幹線もN700系、800系の更新車両もこれになるんじゃないの、普通に考えると。N7系(E7系)やE5系あたりを入れても仕方ないし。

  3. 過去に東海道新幹線で300km/h運転、滋賀県内で330km/h運転を目指すと言っていたので、最高速度引き上げ目的かと思っていたが…
    最高速度引き上げはどこかのダイヤ改正の目玉とするので、それまでは公表できず引き上げの予定はないと言っているだけでは?
    285km/hに最高速度を引き上げるとき誰が予想できただろうか?それを思い返せば、JR東海は突如最高速度を引き上げると言ってもおかしくないのでは?

  4. 文中、「TRAIL」ではなく「TRIAL」ですね。
    写真にも写ってます。

    • ご指摘ありがとうございます。 訂正いたしました。