徹底解説! JR東日本の新幹線E956形試験電車「アルファX」
JR東日本の新型試験電車E956形「アルファX」が完成し、東北新幹線で試験運転が始まりました。車両ごとに異なる形状や技術を採用しているのが大きな特徴。360km/hの営業運転を目指し、複数の形状や技術を比較検証します。
「営業360km/h」に再チャレンジ
JR東日本のE956形電車「ALFA-X(アルファエックス)」が完成。2019年5月10日(金)の夜から、東北新幹線で走行試験が始まりました。
「ALFA-X」は新幹線の新型試験車両です。同社は2016年11月、技術開発の中長期計画で「次世代新幹線の実現に向けた開発」を盛り込み、試験車両の開発を計画しました。ちなみに、愛称の「ALFA-X」は「Advanced Labs for Frontline Activity in rail eXperimentation(最先端の実験を行うための先進的な試験室)」の略です。
JR東日本は「ALFA-X」の前にも、新幹線の高速化を目的にした試験車両を開発しています。まず1992(平成4)年に952・953形電車「STAR(スター)21」を開発。走行試験では425km/hを記録しています。続いて営業運転での最高速度360km/hを目指し、E954形電車「FASTECH(ファステック) 360 S」とE955形電車「FASTECH 360 Z」を2005(平成17)年から2006(平成18)年にかけて開発しました。
しかし試験結果から、360km/h運転は騒音抑制などの環境対策や速度向上のためのコストに課題が多いと判断され、当面の営業最高速度は320km/hとすることに。東北新幹線用のE5系電車と秋田新幹線直通用のE6系電車がデビューし、2013(平成25)年からは320km/h運転が始まりました。
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ただ、2030年度には北海道新幹線の新青森~札幌間が全線開業する予定です。東京~札幌間の所要時間は、現在の計画で約5時間とされており、飛行機に比べると長い時間を要します。そこでJR東日本は、北海道新幹線の札幌開業を目標に、再び360km/hの営業運転を目指して「ALFA-X」を開発したのです。
アルファエックスはいつから乗れるの?