ANAが「ドローン」に注力するワケ 五島市で実験にも理由 事業リーダーが語る

なぜANAはドローン事業を進めるのか?

 ANA HDのドローン事業化プロジェクトリーダーである保理江裕己さんは、ANAグループがドローン事業を積極的に進める理由をこう話します。

「もともとANAは2機のヘリコプターから始まり、そこからプロペラ機、ジェット機、国内線、国際線とモビリティを変えて、空の移動を提供してきました。そうしたなか、いまの時代に即した次のチャレンジは『ドローン』や『空飛ぶクルマ』と考え、2016年にドローンプロジェクトを立ち上げました」

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左側がANA HDの保理江裕己プロジェクトリーダー(2019年9月26日、乗りものニュース編集部撮影)。

 航空法が、2018年に「承認を取得すれば、見えないところまで監視者なしでドローンを飛ばしてもよい」と変わったことをきっかけに、不便な地域へモノを届けられないかと考え、実験を進めてきたというANAグループ。玄海島に続き福江島で実験した理由についてANA HDの保理江さんは、「福江島はANAグループが路線を就航させていることもあり、将来的に空港との連接も視野に入れながら『まずできること』として、プロジェクトに参加しようと考えたのです」と話します。

 ちなみにこのたび注文された商品について、保理江さんによると、「意外とお寿司のニーズが高いのです」とのこと。赤島には、ちらし寿司とマーガリン。黄島には、まぐろのたたき巻きが届けられました。2島ともに、飛行時間は15分程度だったそうです。

 この実験には、NTTドコモとプロダクションナップ(長崎市)も協力。五島市は、将来的に市内離島部でドローン物流の実用化を目指しているといい、発注から受け取りまでの仕組みの検討、市内でドローン物流オペレーションを担う人材の育成を計画しているといいます。

【了】

【地図】福江島、赤島、黄島の場所

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