飛行機の前脚ドアに塗られた「赤い線」 どんな役割があるのか? JAL整備士に聞いた

空港で見る旅客機は車輪を出していますが、その状態で機首側の前脚ドアを見ると、多くで「赤い線」が塗られています。それにどのような意味があるのか、JALの整備士に聞いたところ、安全に欠かせないものでした。

トーイングカー運転手に限界を伝える「赤い線」

 空港で見る旅客機は車輪、つまり脚を出しており、機首側にある前脚(ノーズギア)上部には、上空で脚をしまうときに閉じるドアが、開いた状態で見えています。

 この前脚のドア、多くの旅客機で「赤い線」が引かれています。どのような意味があるのか、JAL(日本航空)の整備士に聞きました。

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ボーイング737型機の前脚部分。ドアに赤い線が塗られている(2020年6月、乗りものニュース編集部撮影)。

――前脚ドアの赤い線は、なんのためにあるのでしょうか?

 これは、地上で飛行機の支援を行うグランドハンドリングの際に用いられます。

 飛行機は原則、自力でバックはしないので、駐機場からバックして出ていく際には、「トーイングカー」という車両に押してもらいます。このトーイングカーは飛行機の前脚のステアリングを操作し、飛行機の向きを所定の方向に変えることができるのですが、この赤い線は、そのときトーイングカーの運転手に「これ以上前脚のステアリングを切れません」という目印の役目を果たしているのです。

 こういったモデルでは、前脚のタイヤを支える支柱下部にも赤い線が引かれており、この線がドアの赤い線を越さないようにけん引をします。

【写真】デッキからは見えないかも 前脚にもある「赤い線」

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