「各駅停車のスーパーカー」って何だ!? 伊豆急「リゾート21」35年活躍の背景

いまや各地で人気の観光列車。そのひとつの先駆けとして登場した車両が、35周年を迎えました。伊豆急2100系電車「リゾート21」。どのような車両なのか、長く愛されるためどんな工夫や努力をしてきたのか、取材してきました。

いまだよくある「この電車 乗っちゃっていいの?」

 地域への誘客手段として全国に広がり、人気を集めている観光列車。そのひとつの先駆けとして登場した車両が2020年7月、デビュー35周年を迎えました。静岡県を走る伊豆急行の2100系電車「リゾート21」です。

 その1985(昭和60)年7月の登場を、当時小学生だった筆者(恵 知仁:鉄道ライター)は、強く覚えています。

 大きな前面の窓、運転士気分が味わえる階段状の展望席、海の車窓を楽しめるよう窓を向いたソファーのような座席、赤・青と左右で異なる斬新なカラーリング(当時)、そしてなんといっても「追加料金不要」であること。こんなカッコよくて楽しい電車が普通列車として走っており、特急券もグリーン券もなしで乗れるなんて、小学生にとって夢のような車両でした。

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伊豆急2100形電車「リゾート21」3次車(2020年7月、恵 知仁撮影)。

 伊豆急ホールディングスの川口 良さんは、「『各駅停車のスーパーカー』をメインコンセプトにした車両で、『普通乗車券だけでご利用いただけること』にこだわっています」と話します。

 伊豆急「リゾート21」は、JR線に直通し特急列車として走る場合もありますが、基本的には追加料金不要。「これが普通列車だなんてスゴイ」と、いまもよく言われるとのこと。また、ホームにこの車両が入ってくると、アナウンスで「普通列車です」と放送していても「乗っていいのかな?」と迷う人がいるのも、よく見る光景だそうです。

【写真】電車を「ペリーの黒船」にしてみた

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