【空から撮った鉄道】神奈川県と静岡県 離れた場所にふたつの路線がある私鉄
伊豆箱根鉄道は神奈川県の小田原駅を起点とした大雄山線、静岡県の三島駅を起点とした駿豆線と、離れた場所にふたつの路線があり、それぞれ東海道本線と接続しています。静岡県の空撮の行き帰りに立ち寄って撮ってきたカットを紹介します。
この記事の目次
・伊豆箱根鉄道は立ち寄りで空撮
・駿豆線は多くがピンポイント撮影
・大雄山線は工場が目印
【画像枚数】全18枚
伊豆箱根鉄道は立ち寄りで空撮
伊豆箱根鉄道は、毎年行う静岡県内の空撮に関連して撮影しています。近くを通るついでの立ち寄りというやつです。東京から静岡へ向かうときは、ショートカットするのでいつも御殿場のほうを飛んでいきます。そのため伊豆箱根鉄道を撮るときは、小田原近辺や三島近辺を飛行するときになります。
大雄山線と駿豆線の撮影の割合は、三島側に業務が多いため、どうしても駿豆線のほうが多くなります。駿豆線は三島駅から修善寺まで線路が南下しており、晴れの日だと下り電車が順光となり、撮影する季節はちょうど今ぐらいの9月~10月で、稲刈りのシーズンとなります。
駿豆線は多くがピンポイント撮影
まずは駿豆線のほうからお話ししましょう。三島~修善寺間は飛行機だとさほど時間がかかりませんが、全線一気に空撮したことはなく、ピンポイントで撮ることばかりでした。あらためて撮ったカットの場所を見ると、大場駅の車両基地が多いですね。ここは工場も併設しており、本線から西へ分岐しながら弧を描いて、基地が広がります。といっても小規模な施設ですから、工場や留置線がコンパクトにまとまっています。廃車体があったり、凸型電気機関車が2両待機していたり、工場の検修庫も蒲鉾屋根で、少々個性的な車両基地なので、現場付近を飛行するときは立ち寄るスポットになっています。
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Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。