都バス代表のはずがナゼ… 落日の「都03」 車窓はイイぞ「ザ・東京観光」路線

都営バスのなかで「都」のつく系統は、全路線を代表して選ばれた路線ですが、そのなかで、利用者がかなり落ち込んでいるのが「都03」です。しかしこの路線、210円で東京観光ができてしまうほど、車窓はバラエティーに富んでいます。

路線が短縮されても、見ごたえのある車窓は変わらず!

 都03はもともと四谷駅ではなく、新宿駅西口に発着していました。2000(平成12)年、都営大江戸線の全線開通にともない、新宿駅西口~四谷駅間が短縮されています。

 ターミナルが新宿から四谷に移った影響が大きかったのか、その後は減便を繰り返し、2020年現在は日中ほぼ1時間に1本。都02などは日中、最低でも1時間に6本確保されているのに比べると、便数もかなり少ないといえます。

 とはいえこの都03、四谷と日比谷、銀座方面を最短距離で結ぶ利便性だけでなく、車窓もなかなか見ごたえのある路線です。

 四谷駅から新宿通りを東へ進むと、皇居の内堀にぶつかる半蔵門で右折、そのまま内堀沿いに、皇居の大パノラマを車窓に映しながら坂を下っていきます。警視庁前では「桜田門外の変」の舞台である桜田門が左に見えるほか、後ろを振り向けば国会議事堂がそびえています。この内堀通りを行く三宅坂から日比谷にかけてのルートは、都03だけのものです。

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警視庁前付近。このあたりは他の系統が走らない都03の単独ルート(2020年10月、乗りものニュース編集部撮影)。

 さらに晴海通りを東へ進み、銀座のど真ん中「銀座四丁目」交差点を通過、歌舞伎座や築地本願寺を過ぎ、かつては橋桁が跳ね上がることもあった勝鬨(かちどき)橋を渡ります。マンション街として変貌著しい勝どき地区を通過して右折、東京オリンピック・パラリンピックの選手村が建設されている晴海埠頭の客船ターミナルが終点です。片道210円で東京観光ができてしまう、といえるかもしれません。

 ちなみに現在は都03を含め、車両などで「都」のつく系統に特別な点は見られませんが、車内放送では「『グリーンアローズ』をご利用いただきましてありがとうございます」などと愛称が使われます(都08を除く)。

【了】

【路線図】車内から東京観光できる!? 「都03」のルート

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コメント

2件のコメント

  1. > 「桜田門外の変」の舞台である桜田門が左に見える

    「舞台」は、走っているその路上だと思うのですが

  2. 東京BRTが本格開業したら都03は廃止になるのですか?なるなら人的資源は都営バスの他のピーク時に減便の危機にある路線に移ってもらえるかもしれませんね。路線の設定改廃が容易なのはバスの魅力のひとつです。そして都市新バスは発展的解消を遂げBRTへとむかうのですね。