タクシー「4年で全車電動化、脱LPGはあと7か月」MKが表明 燃料シフト急加速?

EVだと選択肢が… 電動化=EVに非ず

 2017年に発売されたジャパンタクシーは、業界の強い要望でLPGハイブリッドが採用されましたが、エムケイではそれ以前から、LPG車を置き換える考えだったといいます。その理由について、「HVなどの燃費向上により、ガソリンとLPGとでトータルの価格差が縮まってきていたから」と話します。

 LPGはガソリンに比べて4割ほど安いとされ、タクシーでは昭和30年代から広く使われてきました。しかし、タクシー車両の燃費向上と、LPG車の減少により、LPGスタンドの数は2016(平成28)年までの10年間でも約14%減少。地域によっては経営難からLPGスタンドがなくなり、タクシーが遠方まで燃料を入れに行かなければならないケースも生じています。

 冒頭の通り2025年までの全車電動化を掲げたエムケイですが、この「電動化」は必ずしもEVではなく、PHV(プラグインハイブリッド)やe-POWERなども含めた広義の「電動化」のようです。これに関しては、EVの導入にも課題があるからとのこと。

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MKグループは2025年までの車両電動化とともに、2000人規模の採用も発表した(画像:MKグループ)。

「現時点でEVのタクシー車両の選択肢としては、日産リーフ以外にありません。もっと1回あたりの航続距離が長く、充電時間の短い、タクシーに適したモデルが出てほしいというのが正直なところです。EVのタクシー専用車は、そうそう出ないと考えられるので、もし適した車両がなければPHVなどにするかもしれません。現状でもセレナ e-POWERはまとまった台数を導入しています」(エムケイ)

 2025年までに全車電動化したいというのは、MKグループの社内報などでかねてから明かしていた構想で、地域により多少の差は生じると考えられるものの、全国のグループすべてで共有している目標だといいます。MKタクシーでは4~5年のサイクルで車両を入れ替えていることもあり、2025年を見据えて、対外的な発表のタイミングを判断したということです。

【了】

【画像】バラエティー豊かなMKタクシーの車種

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コメント

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2件のコメント

  1. ガソリンエンジンは若干の改造でLPGに転換できる。
    20年くらい前に一般用の車を改造することが流行ったがタクシーがLPGを止めるとそういった車は廃車にせざるを得ないかも知れない。
    一時期は真面目に自分も改造しようと考えていた。

    現行でもLPG車は発売されているがどうするのだろうか。

  2. 政府の脱炭素の宣言もあり、これからは電気自動車の流れなんだろうけど、この間の降雪の立往生なんかを見てると、あの状況で電気自動車だったら危なかったのでは?と思ってしまった。ひとつを悪者にして何でもかんでも闇雲に変えれば良いのではなく、半舷上陸のように様子をみて変えていく方が安全なんじゃないかと思う。