電動キックボードは「小型特殊」扱い なぜ? 警察庁がシェア事業に新特例 最高15km/h

規制の枠に当てはめづらい電動キックボードに一石?

 電動キックボードは海外で急速に普及が進む一方で、日本においては原付の基準に当てはめる必要があったり、走行環境が整っていなかったりして、事業者だけでなく国会議員などからも規制の緩和を求める動きが広がっています。

 マイクロモビリティ推進協議会によると、コロナ禍での密回避や環境負荷の軽減にも効果がある一方で、法令に関する理解不足から、原付化せずに車道や歩道を違法に走行している電動キックボードが後を絶たないとのこと。このため、規制の適正化に向けた実証実験が重ねられている状況です。

「シェアリング事業者としては、小型特殊にこだわるわけではなく、ヘルメットなしでの実証実験を行いたいという思いがありました」と、マイクロモビリティ推進協議会は話します。特にコロナ禍、多くの人とヘルメットをシェアするのは抵抗があるでしょう。しかしヘルメットなしの状態では、安全性に懸念も残ります。

 ある業界関係者は、「一般の電動キックボードとシェアリングの電動キックボードとで、容易に見分けがつくわけではない」といい、今回の特例がシェアリング事業以外の電動キックボードにも少なからず影響を及ぼすことを指摘します。ただ、警察側も「『絶対認めない』という方針から、少しずつ緩和に動いている」と、その姿勢を評価しました。

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mobby rideが海の中道公園で実施した電動キックボードシェアリング事業の様子(画像:mobby ride)。

 15km/hという自転車並みかそれ以下のスピードで、電動キックボードが車道の左側を走行する点については 、前出の関係者も、「30km/hは出ないと交通の流れに乗れず、キックボードにとっても、周囲を走るクルマにとってもメリットがないのでは」と話します。とはいえ「こうした実証実験と議論を重ねて、さらに新たな区分ができるかもしれない」という期待感もあるとのこと。

 マイクロモビリティ推進協議会も、「電動キックボードに新しい区分を設けてほしいと国に要望している」といいます。なお、電動モビリティメーカーの団体である日本電動モビリティ推進協会(JEMPA)は、今後、いままでにないような電動の小型モビリティが登場するかもしれないという観点から、自転車も含め、乗りものを速度と大きさで区分したうえで専用通行帯「低速モビリティレーン」を公道に設置することを提唱しています。

【了】

【画像】「電動モビリティに小特ナンバー」の前例

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コメント

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3件のコメント

  1. 歩道でも堂々走ってる奴らが静止を振り切り、交番に言っても知らんふり。

  2. これはいい流れだと思う
    さらに言うと15km/h以上出るやつは販売停止にするべき
    それより出るのは明らかに危ない
    販売したら罰則とか作るのがいい
    15km/hなら普通に走ってるママチャリ程度だからちょうどいいかも
    実際に買う人もこの程度のスピードを1番求めてると思うし
    乗る人も車も歩行者も比較的安全でかつ欲しい人が多そうな絶妙さ

  3. 普通にサイクリングコース沿いに自宅が有り、勤め先も同じコース沿い、今は自転車で通ってるけど
    14kmもあるからこれにしたい。