コロナ禍でも556機納入 エアバス2020年 いま選ばれる機材と「デリバリー改革」とは【Merkmal】
航空需要が冷え込むなかでも、エアバスは2020年に556機を納入した。いま航空会社に需要のある機材は何なのか。一方、コロナ禍は新型機のデリバリーも困難にしているが、エアバスは新たな手法で、その壁を破ることに成功している。
トレンドは「ナローボディ」
エアバスは2021年1月12日、2020年における民間航空機の納入と受注の実績を発表した。納入数は2019年の863機を300機近く下回る566機となったが、同社は2020年4月に「COVID-19」(2019年型新型コロナウイルス)の感染拡大に伴う生産調整計画を発表しており、それに即した納入数になったという。
今後の見通しも厳しい。 IATA(国際航空運送協会)は2020年11月24日に、2021年の航空業界全体の売り上げが2019年に比べて66%の減になるとの予測を発表している。ボーイングも2020年10月6日に、民間航空機の需要予測を発表しているが、その予測でも2020年から2029年までの10年間に全世界で納入される民間航空機の機数は、2019年の予測から11%減の1万8350機に下方修正されている。
ボーイングはCOVID-19の感染拡大により、大多数の国が渡航制限を行っていることなどから、国際長距離路線で使用されるボーイング787やエアバスA350のような双通路機(ワイドボディー機)の需要回復には相当時間がかかると予測している。その一方で同社は、国内線を中心とする短~中距離路線で使用されるボーイング737やエアバスA320のような単通路機(ナローボディ機)に関しては、現行機に比べて燃費性能の低い旧型機の更新需要により、双通路機に比べて堅調だと見込んでいる。
ボーイングの市場予測に関しては楽観的であるとの見方もあるが、COVID-19の感染拡大の収束が見えない現状においても、単通路機に一定の需要が存在しているのは確かで、エアバスの2020年における総受注数383機のうち360機が、単通路機のA320ファミリーとA220で占められている。
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