F-35はNO! ロシアのステルス機も「買うか…?」 大国インドが視線を送る“第三の選択肢”とは?
インドがトランプ関税に反発し、アメリカ製の防衛装備品や航空機を調達する計画を一時中断。トランプ大統領が持ち掛けたとされるF-35の売却も暗礁に乗りあげました。そこに助け船を出す国もある一方、インドは別の国を見ているようです。
アメリカ製防衛装備品の調達計画が一時中断
ロイター通信は2025年8月8日、インド政府がアメリカ製の防衛装備品や航空機を調達する計画を一時中断したと報じました。アメリカのドナルド・トランプ大統領がインドからの輸入品に最大50%という大きな税率の関税を課す大統領令に署名したことに対する、インド政府の反発によるものと見られています。

インド政府はラージナート・シン国防相を数週間以内にワシントンDCへ派遣し、アメリカ製防衛装備品や航空機の調達を発表する予定でしたが、計画の一時中断に伴い、シン国防相の訪米も中止したとロイター通信は報じています。「ストライカー」装輪装甲車や「ジャベリン」対戦車ミサイル、ボーイング製の民間航空機などの調達に向けたアメリカとの協議も一時停止したということです。
トランプ大統領は2025年2月にインドのナレンドラ・モディ首相が訪米した際、F-35戦闘機の売却を個人的に提案したと報じられています。今回、インドがアメリカとの調達協議を停止した案件の中にF-35は含まれていませんが、7月31日付のブルームバーグは、インド政府のアメリカ製防衛装備品の調達計画とは関係なく、トランプ大統領がもちかけたF-35の売却提案も拒否する可能性が高いと報じていました。
筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)も、インドのF-35導入には無理があると思っています。その最大の理由は、モディ政権が掲げてきた「メイク・イン・インディア」にあります。
インドでは2014(平成26)年から、製造業を発展させる目的で、主要な産品をインド国内で生産する「メイク・イン・インディア」プロジェクトを推進しており、その一環として軍の運用する外国製兵器も、極力インド国内で生産してきました。インドがF-35を購入する場合、最低でもノックダウン生産の容認程度の条件を引き出せないと、「メイク・イン・インディア」と矛盾が生じてしまいます。
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