理由は「駅つくるので」 元カルフールのイオン閉店 背景にある大阪モノレール延伸計画

モノレール延伸で「商圏」変わる?

 モノレールの建設予定地は、大部分が都市計画道路である中央環状線の余剰スペース上に計画されています。中央環状線にはすでに近畿自動車道の高架が形成されており、モノレールは荒本地区で高速道路のジャンクションを避けるように、いったん中央環状線から外れ、東大阪市役所の北側を抜けて荒本駅(現在のイオン東大阪店)に進入。店舗南側を東西に貫く阪神高速道路と交差し、また中央環状線に戻るコースが計画されています。

 2018年には、モノレール延伸に関する都市計画が決定済みで、2020年度からの用地買収と工事着手が予定されていました。その一環でイオンが閉店に至ったというわけです。

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閉店するイオン東大阪店(宮武和多哉撮影)。

 イオン東大阪店の周辺には「イオンモール大日」「三井アウトレットパーク大阪鶴見」「ニトリモール東大阪店」などの大型量販店があり、2022年度にはモノレール沿線に「ららぽーと門真」もオープン予定です。モノレールの延伸が実現すれば、皮肉にもこれらの商業施設へ格段に足を運びやすくなります。熾烈な競争が予想されるなか、同店が営業に区切りをつけるのはやむを得なかったのかもしれません。

 ちなみに、イオン東大阪店はショッピングカートごと階を移動できるスロープ状のエスカレーター「オートウォーク」がひとつの名物でした。いまでこそコストコやイケアといった超大型量販店でも見られますが、比較的古くから設置していた店舗としては旧カルフールのほかにも、ハイパーマート(ダイエー系列)、ゆめタウン学園店、ダイエー甲南店などが挙げられ、いずれも現役で稼働しています。

【了】

※一部修正しました(3月30日12時10分)。

【大阪モノレール延伸ルート&新駅イメージ】

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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コメント

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3件のコメント

  1. そういえば、JR釧路駅にはエスカレータなんて要らないからエレベータをつけてほしいと思う。

  2. 元々イオン系は鉄道利用者は顧客だと考えてなかったからな(JR京橋駅に隣接してたイオン京橋店(元ダイエー)もあっさり閉店したし)

  3. E26近畿道の東側が空いているが、道路を増やすとは考えにくい。
    ということは、空いているところはモノレールが入るのでは?