エアバス 高速ハイブリッド機「レーサー」組み立て開始 初飛行は2022年を予定
排出ガス削減と燃料消費の抑制、騒音低減の一石三鳥を狙っています。
ヘリ型の機体 でも巡航速度は400km/h以上
ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスは2021年4月14日(水)、子会社のエアバス・ヘリコプターズで開発中の高速デモンストレーター機「レーサー」について、機体組み立てが始まったことを明らかにしました。
「レーサー」の開発は、ヘリコプターのエンジン排出ガスを削減するためにエアバスが推し進めるイノベーション・プロジェクトのひとつです。
プロジェクトは、ヨーロッパ13カ国40社のパートナー企業が参加する「欧州リサーチクリーンスカイ2」の枠組みで行われており、試作機は、巡航速度400km/h以上での飛行を目標に掲げています。これは既存のヘリコプターが最高速度260km/h程度なのと比べ、格段に速いものです。
また巡航時には、搭載する2つのエンジンの片方を停め、残るエンジンひとつで電気モーターを駆動させ、発生した電力でエネルギーをまかなう革新的なハイブリッド電気システムを搭載することで、排出ガスの削減だけでなく、燃料消費も抑えられ、さらに騒音も低減できるとしています。
高速デモンストレーター機「レーサー」は、2017年のパリ航空ショーで計画が発表され、2019年に基本設計をクリアしていたとのこと。今回の中央胴体の完成は、プロジェクトのマイルストーン(重要な通過点)のひとつだといいます。
製作はドイツ南部バイエルン州にあるドナウヴェルトのエアバス・ヘリコプターズの工場で行われており、今後はキャノピー、ウイング、燃料システム、カウリングなどの主要コンポーネントが組み付けられるそう。2022年には、フランス南部プロヴァンスのマリニャーヌにある同社工場に運ばれ、初飛行する予定としています。
【了】
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