ボーイング737 なぜエンジンが「おにぎり型」? 最初は丸いエンジンだったのに

日本でも多くの航空会社で採用されるボーイングのベストセラー機「737」でよく見るタイプは、前方からエンジンを見ると、きれいな円形をしていません。さかのぼると、実は時代の変化とともに「おにぎり型」に変化してきた経緯がありました。

最初は丸い、でも細いエンジンだった737

 日本でも多くの航空会社で採用されているアメリカ、ボーイング社のベストセラ-機「737」シリーズは、1967(昭和42)年に初期タイプが初飛行し、1968(昭和43)年に運航が開始されます。以来、半世紀以上もそのベースデザインを変えることをなく、いまも世界の空を飛び回っているという、民間航空機のなかでは稀有なモデルといえるでしょう。

 2021年現在、日本の航空会社で見られるような737シリーズは、737-800型や737-700型など「ネクスト・ジェネレーション」と呼ばれるサブタイプです。それ以前は、多くの航空会社で、737-400型や737-500型など、「737クラシック」に分類されるタイプも多く使われていました。それらの見た目には程度の差はあれど、大きな特徴があります。

 前方からエンジンを見ると、きれいな円形をしておらず、下部が潰れるような形になっているのです。航空ファンのあいだでは、このエンジンは「おにぎり(おむすび)型」と呼ばれることも。なぜこのような形になったのでしょうか。

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ボーイング737-500を前方から。エンジン下部が潰れているのがわかる(乗りものニュース編集部撮影)。

 実は初期タイプ、「第1世代」とも呼ばれる737シリーズ、737-100型、-200型機は、おにぎり型のエンジンではありませんでした。これらに搭載されたエンジンは、プラット・アンド・ホイットニーのJT8D。ジェット旅客機黎明期で採用された初期のターボファン・エンジンで傑作エンジンのひとつです。

 このエンジンは、現代のターボファン・エンジンより細長い鉛筆のようなフォルムをしており、737の初期タイプには、それを主翼に直接取り付けていたのです。ただ細長いとはいえ、断面は他モデルと同じように「丸」でした。

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