海事産業強化法が成立 造船業界の再編促進&船員の働き方改革が目的

昭和初期にも「船舶改善助成施設」などの造船・海運振興策がありました。

高品質船の発注・建造を国が支援

 造船や海運など、日本の海事業界の基盤強化を目的に作成された「海事産業強化法」が2021年5月14日(金)、参議院本会議において全会一致で可決され、成立しました。

 この法律は正式には「海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を改正する法律」といい、造船・海運分野の競争力強化、船員の働き方改革や内航海運の生産性向上などによる海事産業全体の基盤強化を図ることを目的としています。

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広島県呉市にあるジャパンマリンユナイテッドの呉事業所(2019年2月、柘植優介撮影)。

 具体的には造船所の事業再編や生産性向上を促すために、造船所が策定した事業再編策などに対して国土交通大臣が認定することで、日本政策金融公庫など政府系金融機関による長期・低利融資を可能にするほか、設備投資に税制面の優遇措置を適用できるようにしました。加えて、大臣が認定した、安全かつ環境性能に優れ、船員の省力化に資する高品質船舶(特定船舶)を海運会社が導入する場合も、国が支援することで発注・建造を後押しするとしています。

 また、内航海運業のカボタージュ規制(国内航路の自国籍船限定)の維持、船員の労働時間を適切に管理するための「労務管理責任者制度」の創設などが明記されています。

 これに伴い、造船法や海上運送法、船員法、船員職業安定法、内航海運業法、船舶安全法の6つの法律についても一部を改正しています。

 なお、これに関して一般社団法人日本造船工業会は、同日付で声明を発表し、「新型コロナウイルスの感染拡大が続くなど、困難な状況にある我が国海事産業の再構築に向けた支援の枠組みが整備されたもので、誠に意義深い」などとコメントしております。

【了】

国土交通省が発表した「海事産業強化法」の概要

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