空の「ドクターイエロー」? 点検機「ドクターホワイト」の役割とは 「ドクターオレンジ」だったときも
チェック・スターはどんな機体?
チェック・スターは、旅客機のように100席以上を搭載できるような巨体は必要ありませんが、機体が小さすぎると解析装置が搭載できないため、ある程度の大きさが求められます。
2021年現在、国土交通省では、2種のチェック・スターを使用しています。ANA(全日空)グループなどで旅客機として導入された実績をもつターボプロップ機、ボンバルディア(現デ・ハビランド カナダ)DHC8-Q300と、セスナ社のサイテーション・ビジネスジェット機です。
チェック・スターの元祖となるのは、1961(昭和36)年のダグラスDC-3型機でした。その後、三菱重工製のMU-2や YS-11が採用されたのち、ガルフストリーム社やボンバルディア社のビジネスジェットへ更新。それ以後は運航経費を抑えられるターボプロップ双発機が運用されるなどの経緯をたどり、現在の2モデル体制に至ります。
実は現在のチェック・スターは、新幹線が高速走行する軌道や架線の安全性を検査する「ドクター・イエロー」に引っ掛け、一部では「ドクター・ホワイト」の愛称で呼ぶ人も。その名の通り白ベースのデザインが採用されています。ただ、かつては、機体が目立ちやすいよう、蛍光オレンジが尾翼と機首にあしらわれていました。
ちなみに、飛行検査機は先述のとおり現役の空港機能の検査が重要な任務ですが、新しく開港した空港における航法機器の検査も担います。したがって、通常その空港の飛来一番機はフライト・チェッカーとなるわけです。そのため、成田空港(当時は新東京国際空港)ではYS-11が一番機となりました。
新幹線の「ドクター・イエロー」は、見るとラッキーなことがあるもいわれますが、「ドクター・ホワイト」、つまりチェック・スターでは、そのような話は残念ながら聞いたことがありません。ただ、この機もまた、空港や旅客機の安全を支えている大切な飛行機といえるでしょう。
【了】
意味がわからん