伝説の対地攻撃番長! 米戦闘機P-47「サンダーボルト」&F4U「コルセア」が傑作になれたワケ
第2次大戦中のアメリカ戦闘機で、陸軍と海軍それぞれの最多生産機にはいくつかの共通点がありました。ひとつは搭載するエンジン、そしてもうひとつはエンジン性能に起因する優れた汎用性です。傑作機たるゆえんを紐解きます。
高性能を発揮するには名エンジン搭載が必須
アメリカ陸軍のP-47「サンダーボルト」戦闘機、アメリカ海軍のF4U「コルセア」戦闘機、両機は陸軍と海軍それぞれの戦闘機において最も生産数が多い機体です。前者は1万5660機、後者は1万2571機も造られましたが、“最多生産戦闘機”という以外にもう一つ共通点があります。それは搭載するエンジンです。
両機ともP&W(プラット・アンド・ホイットニー)社製の「R-2800」エンジンを搭載していました。このエンジンは通称「ダブルワスプ」というオーバー2000馬力級の空冷複列星形18気筒のエンジンです。
R-2800は第2次世界大戦直前に開発され、同大戦ではアメリカで生産された様々な航空機に搭載された傑作エンジンです。多くの改良型が造られ、なかには最大出力2800馬力というものもありました。
このようなエンジンが存在したからこそ、アメリカ製航空機は高性能を発揮することができたといっても過言ではないほどですが、R-2800エンジンが生まれたのは、アメリカがモータリゼーション発祥の国でもあり、エンジン技術に秀でていたからです。
基礎工業力が高かったからこそ、それが航空機用エンジンにも反映されており、第2次世界大戦中に日本が実用量産化できなかった航空機用ターボチャージャーを、すでに開戦前の時点で開発し、量産機に組み込むなど、その技術力の先進性は世界のトップレベルでした。
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