福井~岐阜間の難所貫通「冠山峠道路」トンネル全て完成 2023年開通向け工事大詰め

「酷道」どころか、貴重な岐阜~福井のショートカット路線に進化しそうです。

約7年の工事を経て福井県最長のトンネルが完成

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工事が進められる冠山峠道路(画像:国土交通省)。

 国土交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所は2021年8月4日(水)、福井県池田町と岐阜県揖斐川町を結ぶ「冠山峠道路」について、2021年7月末時点の工事進捗状況を発表しました。

 国道417号は岐阜県大垣市を起点に、福井県鯖江市を経て、南越前町に至る一般国道です。岐阜・福井県境では冠山峠に阻まれ未開通のまま長らく分断状態となっており、林道冠山線が代替道路の機能を果たしています。

 しかし林道冠山線は狭隘かつ急勾配・急カーブが続く難所で、冬季を中心に約半年間の通行止めが発生するため、2003(平成15)年に国は冠山峠を長大トンネルで通過する冠山峠道路を事業化。2014(平成26)年にはトンネル工事が開始され、2023年の開通に向けて工事が着々と進められています。

 現在の進捗は、2021年7月に延長4834mの「冠山峠第2号トンネル」(仮)が完成。福井県内で最長のトンネルとなるほか、延長1238mの「冠山峠第1号トンネル」(仮)とあわせ、線内のトンネルはすべて完成済みとなっています。そのほか、橋梁は7つのうち5つで橋脚や橋台など下部工が完成しています。

 これまで揖斐川町~池田町までの所要時間は、林道を経由した場合に2時間35分、名神と北陸道で滋賀県まで迂回した場合でも2時間15分かかっていましたが、冠山峠道路の開通後は1時間25分と、50分もの短縮が見込まれています。これにより、岐阜県と福井県を通年で直結する新たな一般道のネットワークが生まれます。

 あわせて峠の周辺には日本最大の総貯水量を誇る徳山ダムや、つる草による吊り橋「かずら橋」をはじめ、観光スポットが点在しています。 

【了】

【「冠山峠道路」ルート図と工事進捗を見る】

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コメント

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1件のコメント

  1. 岐阜福井間の道路は一番番号の若い国道の157すら使えなくて、まともに走れる道なら158まで行かないといけないという
    冠山峠道路の開通の恩恵はとても大きいはずですし早く開通して欲しい道路ですね