「今から駐車しますハザード」つけるべき? つける人多数 点灯の有無で何が変わる?

ハザード=「バックの合図」とは言い難い?

 損保大手によると、判例ベースで「一般道上においてハザードランプ点灯の有無によって過失割合が修正されたケースはない」とのこと。また駐車場において、「ハザードランプを点灯している=バックするの合図になるとは言い難く、何か義務を怠っているわけでもない」と話します。

 ただ「過失の焦点が『予見可能性、回避可能性』であるとすれば、ハザードを点灯することで後続車は予見が可能であったと主張し、過失修正を求めることも、交渉ベースでは一定できるのでは」とのこと。つまり状況にもよるようです。

 高速道路上では、ハザードランプの点灯で過失割合が変わる例も。故障などで道路脇に停車しているクルマがハザードランプを点灯しており、追突車が存在を容易に知り得た場合、追突車両に著しい前方不注視があったとして、追突車に10~20%の過失割合がプラスされる事故類型があるといいます。

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ショッピングセンターの駐車場でバック駐車する際、ハザードを点灯させる人もいる(乗りものニュース編集部撮影)。

 なお、道路交通法においては、ハザードランプ(非常点滅表示灯)の使い方についての具体的な記述はありません。関連する法令(道路交通法施行令)では次の2箇所の記述があります。

・夜間、道路(中略)の幅員が5.5メートル以上の道路に停車し、又は駐車しているときは、車両の保安基準に関する規定により設けられる非常点滅表示灯又は尾灯をつけなければならない(後略)。

・通学通園バスは、小学校等の児童、生徒又は幼児の乗降のため停車しているときは、(中略)非常点滅表示灯をつけなければならない。

 法令に明示されてはいなくとも、「サンキューハザード」は慣習として一般化しているほか、渋滞末尾での点灯は、後続車への注意喚起の手段として警察でも推奨しています。一方で、ハザードランプをめぐっては駐車時の使用も含め、「拡大解釈である」「万人に意味が通じない」「紛らわしい」といった理由から、慎重になる意見も多々見られます。

【了】

【思わず2度見】超押しやすいハザードボタン(写真)

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コメント

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4件のコメント

  1. ハザードランプは、後続車がいる場合には知らせる為にも点灯するのが親切だと思います。

    道路での駐停車時にハザードをつけずに急に停まり、完全に停車後にハザードをつけるか、またはそのままつけずに停車する人を見かけますが、そういう運転するドライバーはハザードはただの車のアクセサリーとしか思っていないのですかね?
    また、ハザードではなく左ウインカーを点灯して路上停車する車も見受けられますが、あれは正しいのでしょうか?

    また、駐車場でバックして駐車をする際に、後続車がいるのにも関わらずハザード無しで急に停まり、いきなりバックし出すのは危ないと思います。
    これからバックしますよという意味でも、まず最初にハザードはつけるべきです。

    • 同意見ですね。
      もっとも、ハザードを使用する事それ自体よりも、周囲にどれだけ配慮出来ているかの方が重要な気もしますね。

  2. ハザードは「この先に障害物がありますよ」「自車が進路を塞ぎますよ」と解釈すれば良いのかと思います。
    車庫入れでハザードつけるのが拡大解釈だという意見もあるとの事ですが、「駐車しますよ」ではなく「駐車のための車庫入れで進路を塞ぎますよ」という意味ではハザードで合っていると思うのですがねぇ。

  3. ハザードランプを何のために、誰のために点けるかということを考えればいいと思います。

    紛らわしいとか意味がわからないという人はハザードランプをつける意味を考えてください。

    「かもしれない運転」 、思いやり運転ができる人は自然にハザードランプを、点灯させていると思います。、