JR東海の新旧特急 乗り比べてみた結果 新型「HC85系」は「静か」だけじゃなかった
実際に乗り比べた結果…これは乗客の疲労度がだいぶ違うかも
1989(平成元)年にデビューしたキハ85系と、2022(令和4)年にデビュー予定のHC85系。乗り比べて強く感じたのが、HC85系の揺れの少なさです。
ハイブリッド方式のHC85系では、震動源であるディーゼルエンジンの数が、キハ85系の2基から1基に減少。加えて大容量の蓄電池を搭載するため、駅に停車中はアイドリングストップ――エンジンが停止します。
また、ディーゼルエンジンの動力で車輪を回転させて走るキハ85系は、ギアチェンジしながら加速しますが(自動車のオートマチックトランスミッション〈自動変速機〉のような仕組み)、電気モーターの動力を使うHC85系は変速機が不要なため、キハ85系にあるギアチェンジ時のショックが起きません。滑らかに加速していきました。
そのほか、床へ施された二重構造の防音・防振対策、エンジンの防振ゴム二重化、エンジン取り付け位置の変更(中央から車端部へ)、台車の改良(軸ばねの固さを上下・左右・前後方向ごとに設定可能)、グリーン車へのセミアクティブダンパ搭載といった様々な振動対策が、HC85系には施されています。
HC85系は、大きな揺れも小さな揺れもよく抑えられていて、乗り比べてしまうと正直、レベルが違います。キハ85系は全体的に荒い印象になってしまいました(当たり前ですが)。
振動は、乗客へストレスを与える要因のひとつです。それが大幅に軽減されたHC85系だと、目的地へ到着したあとの疲労度が違うのではないかと思います。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
密かにヘッドマークもなくなってしまっている。。。
乗客にはメリットの無い部分だし(誤乗防止効果は限定的)、全国どこでも同じような車両だった国鉄時代とは違い車体そのもののデザインでアピールする時代ではむしろ邪魔なものかと。