クルマ好きには分かってもらえる? キハ85系気動車に心くすぐられたワケ
「こういうのが好き」な人 結構いるのでは?
キハ85系は、液体変速機を介してディーゼルエンジンの動力を車輪へ伝えることで走ります(かんたんに言うと、CVTではないオートマの自動車のようなもの)。
ドアが閉まると、キハ85系の各車両に2基ずつ搭載された出力350ps(257kW)のカミンズ製ディーゼルエンジンが、躍動を始めます。
車体が震え、そのサウンドが高まるとともにグングン加速。そしてスピードが66km/hに達すると、いったんその咆哮がおさまったのち、再び力強く加速を開始します。変速機が、変速段から直結1速に進段したのです。
そして87km/hになると再びいったん落ち着き、今度は直結2速へ進段。1両あたり700psのディーゼルエンジンが頼もしく、車両を最高速度の120km/hへ到達させました。
この「エンジンを吹かしてギアチェンジしながら加速」という行為に心がくすぐられる人、結構いるのではないでしょうか。
新型のHC85系だとエンジンは発電用、駆動は電気モーターなため変速機は搭載せず、滑らかに最高速度の120km/hへ加速。そのため衝撃や振動が少なく音も小さく快適なのですが、キハ85系のような心のくすぐられ方は、ありません(HC85系を否定する意図は全くないです。念のため)。
キハ85系は、登場からもう四半世紀以上。後継車も現れました。コロナが落ち着いたら、最後にまたその「走り」を味わいに行きたいと思う今日この頃です。
ちなみにキハ85系の変速は、自動です。また鉄道車両には、自動車のマニュアル車のようにシフトレバーで変速するものもあります。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
北海道のキハ283系は加速している場面でもないのにエンジンがふかされることが多く、こつこつ音をたてる自己操舵台車と相まって不愉快だった。欠陥車だとして廃車が進んでいるが、それもわかるような気がした。
列車に爆音マフラーがついていたりはしませんけどね。これからいろんなことを我慢しなければならなくなるのでしょう。電気自動車が低速で走行するときの擬似音とか、軽自動車なのに排気ブレーキの解放音もどきを出させるパーツとかありますけどね。列車ではそこまでは…
イタリアの高級EVに新たな音楽的な変調音を出すものができたそうです。聞いてみたくはあります。