エアバス 新型UH-72Bヘリを米陸軍州兵へ納入スタート 原型開発には日本企業も
UH-72の原型EC-145/BK117の開発には川崎重工も携わっています。
欧州製ながら生産は米国内で実施
エアバス・ヘリコプターズは2021年9月7日(火)、新たな軍用多用途ヘリコプターUH-72B「ラコタ」の量産初号機をアメリカ陸軍へ納入したと発表しました。
従来、アメリカ陸軍は、陸軍州兵向けに多数配備していたUH-1多用途ヘリコプターやOH-58軽ヘリコプターが旧式化しつつあったことから、それらの後継として2006年にUH-72Aを選定、翌2007年から導入しています。
UH-72Aは、民間仕様のユーロコプター(現在のエアバス・ヘリコプターズ)EC145をベースに軍用として各種改良を施したものですが、EC-145の原型はドイツMBB社と川崎重工が共同開発したBK-117ヘリコプターです。UH-72Aは2020年9月までに463機が生産され、アメリカ陸軍へ引き渡されています。
UH-72Bは、このUH-72Aの改良型で、テールローターが「フェネストロン」と呼ばれる尾翼埋め込み式のダクテッドファンになっているのが最大の特徴であるほか、メインローターも4枚羽から5枚羽に変わっており、さらに操縦席も最新のグラスコックピットとなっています。
またエンジンや飛行制御システム、アビオニクスなどを改良されているとのことで、それに伴い上昇性能やホバリング能力などの飛行性能も向上しているだけでなく、自動離着陸機能やオートパイロットシステムなど安全性の面でも能力が強化されているといいます。
なお、UH-72Bの生産はミシシッピ州コロンバスにある工場で行われ、エアバス・ヘリコプターズによるとアメリカの退役軍人を含む約250人の従業員の雇用を生み出しているとのことです。
【了】
※誤字を修正しました(9月13日8時50分)。
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