海中の音響センサーで密漁防止に成功 不審船等を24h監視&検知 OKI

実際に不審者と不審船を発見し、密漁を防ぎました。

水中に設置したセンサーで遠隔監視を可能に

 沖電気工業株式会社(OKI:東京都港区)は2021年10月13日(水)、北海道の増毛町の沖合海域で運用中の「密漁監視ソリューション」によって、密漁の未然防止に成功したと発表しました。

「密漁監視ソリューション」は、矢口港湾建設(北海道北斗市)や増毛漁業協同組合(増毛漁協:北海道増毛町)とともに当該海域に設置し、2020年8月から本格運用をスタートさせたもので、今回の密漁の未然防止とともに長期的な運用における安定的な動作の確保についても確認できたとしています。

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漁港のイメージ(乗りものニュース編集部撮影)。

 近年、アワビやナマコなどの高級食材を狙う組織的な密漁が横行し、被害額が年々増加しているなか、監視カメラや人手によるパトロールなどでは人件費や装置コストの負担が大きく、特に夜間の無灯火船や水中のダイバーを監視し不審者を発見するのが難しいという問題を含んでいました。

 そこでOKI、矢口港湾建設、増毛漁協は、この課題に対し、OKIの水中音響センサーを用いた「密漁監視ソリューション」による密漁監視の試験導入を2018年に実施。その結果に基づいて、2020年8月に増毛町の実海域において本格運用を開始したそう。

 2021年7月には、システムが捉えた不審音検知情報に基づき、増毛漁協および留萌警察署が見回りを行った結果、不審者と不審船を発見し、該当海域での密漁被害を未然に防ぐ成果をあげたといいます。

 また、同ソリューションの各装置が厳しい海洋環境下での長期的な運用に耐えるかについても、検証の結果、水中生物などによる汚染への耐久性や太陽光発電の活用により、長期間可動させても安定的な動作を確保できることが確認されたとのことです。

 OKIによると、「密漁監視ソリューション」は、昼夜を問わず密漁船や水中の不審なダイバーを監視し検知することで、密漁の未然防止や密漁監視人員の省人化などが可能とのこと。加えて今後も、運用により蓄積されたデータ、ノウハウを活用し、関係機関から寄せられるさまざまな要望に応え、同ソリューションの継続的な機能向上を図っていくとしています。

【了】

【密漁船や不審なダイバーを検知】水中センサーを活用したシステムの概要

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