「名古屋の下のほう」には何があるのか?「ずらし旅」で実際に行ってみた

愛知県にある「伊勢神宮」

 途中でスナメリの歓迎を受けるなか、河和港から約35分で篠島に到着。

 愛知県には41の離島があり、うち3つが有人島です。そのひとつである篠島は、伊勢神宮とのつながりが深い島でした。

 この島でとれた鯛を塩漬けにした「おんべ鯛」が毎年、伊勢神宮へ奉納されており、島内にはその加工をする伊勢神宮が所有、管理するエリア(中手島)も存在。この「おんべ鯛」の奉納は、1000年以上の歴史があるそうです。

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伊勢神宮の古材で造られている神明神社(2021年12月、恵 知仁撮影)。

 篠島には、伊勢神宮の古材で建てられている神社もあります。

 伊勢神宮で式年遷宮が行われると、下賜されたその古材を使って、篠島の神明神社の社殿が建て替えられます。そして、そこで発生した神明神社の古材――伊勢神宮の古材を使って、同じく篠島にある八王子社の社殿が建て替えられます。「おんべ鯛」奉納の縁で、伊勢神宮から古材が下賜されているとのこと。

 篠島は、海を隔てて伊勢神宮を望む位置に存在し、直線距離では約35kmしかありません。名古屋駅より伊勢神宮のほうが、直線距離では近いです(名古屋駅までは約55km)。

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海の向こうに伊勢が見える「太一岬 キラキラ展望台」(2021年12月、恵 知仁撮影)。

 この距離を、篠島の「太一岬 キラキラ展望台」から一望することが可能。そうした位置関係のなか、長いあいだ積み重ねられてきた歴史ロマンに思いをはせることができます。

 ちなみに篠島は、海の幸に思いをはせることも可能。なかでもシラスは、漁獲量が漁港単位では日本一ともされます。

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「&しらす食堂2929」のしらす丼(2021年12月、恵 知仁撮影)。

 今回、シラスと合わせて生ヒジキ、牡蠣寿司も味覚で取材したのですが、いただいた「&しらす食堂2929」では天然の旬のものを提供していて、だから美味しい、とのこと。味わっている最中に行われたその話には、説得力がありました。

【写真】生き物のような駐在所

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