東京ドームの地下には何がある? 『刃牙』なら地下闘技場 実際は? 球場のもう一つの顔
人気漫画『グラップラー刃牙』は、東京ドームの地下にあるとされる闘技場が重要な舞台。東京ドームで開催される同作品の記念展で、その舞台を再現するプロジェクトも進んでいます。では、実際の東京ドーム地下には何があるのでしょうか。
東京ドームが立つ場所に由来アリ
1991(平成3)から週刊少年チャンピオンで連載され、今なお様々なシリーズ作品がある『グラップラー刃牙』。作中では“裏の格闘技”が行われる場所として、「東京ドームの地下6階に位置する地下闘技場」が登場します。もちろん実際には東京ドームの地下に闘技場は存在しません。それでは、実際の東京ドーム地下には何があるのでしょうか。
結論から言うと東京ドームの地下には「競輪場の“一部”」があります。というのも、自転車競技用のバンクを収納しているのです。
現在東京ドームがある場所には、かつて「後楽園競輪場」が存在しました。1949(昭和24)年に競輪を戦後復興に利用しようと考えた東京都が主宰となり作ったもので、その人気ぶりは売り上げが全国一になるほどでした。しかし、1967(昭和42)年に当時の美濃部亮吉都知事が、都営のギャンブルを廃止する方針を打ち出したことで、1972(昭和47)年10月のレースをもって競輪場としての役割は終了。その後の後楽園競輪場は、夏は後楽園ジャンボプール、冬はゴルフ練習場として都民に利用されていたそうです。
そして1988(昭和63)年、東京ドームが建設される際、競輪場の跡地であるという名残で、組み立て式の自転車競技用バンクを、一周400mのグラウンドの地下に収納するになったのです。実際にこの競輪場を使って自転車の大会も何度か実施されており、2008(平成20)年には北京五輪代表壮行会「サイクルフェスタ08」も行われています。
実は関西にも、競輪と縁のある野球場がありました。かつて阪急ブレーブスの本拠地として使用されていた西宮球場です。
西宮球場は野球場としても競輪場としても本格活用された珍しい球場でした。こちらも球場内にやぐらを立て、118枚のアスファルトをつなぎ合わせた組み立てバンクで、全盛期は阪急ブレーブスの公式戦よりも入場者数が多かったことも。しかし、プロ野球公式戦での使用終了後、競輪場としても2002(平成14)年に閉鎖され、現在、その跡地は「西宮ガーデンズ」という商業施設となっています。あまり知られていませんが、実は野球と競輪は縁のあるスポーツなのです。
ちなみに、東京ドームシティで2022年3月から開催予定の『グラップラー刃牙』連載30周年記念展覧会では、「東京ドームの地下闘技場」が実物大で再現される予定です。
【了】
※一部修正しました(1月12日10時47分)。
ドームの地下といえば南北線の線路だと思ってました