バルカン砲の先祖「ガトリング砲」が消えたワケ 日本ではボッタクリ価格で秘密兵器に

初期の機関銃ともいえるガトリング砲。現代の機関銃とは異なる、いわゆる多銃身といわれる構造を持つこの火器は、当初は意外な目的で発明されたそうです。いまやほとんど姿を見なくなった兵器「ガトリング砲」の出自と経緯を追いました。

長岡藩が戊辰戦争で重用

 この頃、日本は江戸時代末期、いわゆる「幕末」です。当時の日本では、外国の武器商人が最新式の銃や南北戦争で不要になった中古品を売り込み、一大武器市場が形成されていました。

 そのようななか、我が国に持ち込まれたガトリング砲は3丁で、うち2丁を長岡藩(現在の新潟県)が購入し、残り1丁は薩摩藩(現在の鹿児島県)が手に入れました。

 長岡藩は石高7万4000石の小藩でしたが、当時の家老河井継之助の行政改革により10万両の貯えがありました。この資金でフランス式の軍隊を作り、ガトリング砲など最新の装備を調達したのです。

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1896年、ワシントンDCの海兵隊兵舎で撮影されたコルト社製の防盾付ガトリング砲M1895(右)とドラム給弾式のM1883(画像:アメリカ海兵隊)。

 その後、長岡藩は戊辰戦争で薩摩藩や長州藩(現在の山口県)が中心となった官軍(新政府軍)に敗北しました。ところが官軍は長岡藩を小藩とあなどったことで、この戦争中、最大の被害を出しています。

 なお、前出したようにガトリング砲は薩摩藩が1丁購入しています。こちらは、同藩が幕府所有の装甲艦「甲鉄」を手に入れた際に、同艦の武装として備え付けられています。のちに、この1丁は旧幕府軍が「甲鉄」の奪取を謀った宮古湾海戦で使用され、反撃の一助となっています。

 また、明治時代には、新たに輸入されたガトリング砲と共に日清戦争へ投入されたほか、台湾外征にも用いられ、同地で治安維持に使われました。

 なお、前出したように日本で最初にガトリング砲を購入した長岡藩は、新潟でプロイセン(現在のドイツ)人貿易商から洋式銃と共にガトリング砲を購入しています。

 このときの価格は1丁で6000両だったそうです。かけソバ一杯を基準に計算すると1両は約12万1800円となるため、そこから算出するとガトリング砲1丁は約7億3080万円になる計算です。

 一方、南北戦争時にアメリカのバトラー将軍が購入したガトリング砲は1丁1000ドルでした。幕末の交換レートは1ドルが銀3分(1両の4分の3)なので9135万円になります。両者を比べると、長岡藩のガトリング砲はかなりのボッタクリ価格だったといえるでしょう。

【画像】軍艦に搭載されたガトリング砲

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コメント

1件のコメント

  1. 価格がぼったくりかどうかは必要性と開発できるかで決まるわけで、防衛に必要かつ開発能力がなければ買わないといけないわな。

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