「二酸化炭素を資源に」実現へ一歩 世界初「CCUS」用途の液化CO2輸送船を建造へ 三菱造船
三菱造船が世界初となるCCUSを目的とした液化CO2船舶輸送の実証試験船を建造します。脱炭素社会の実現といった将来を見据えると、需要が拡大すると期待される分野のようです。
CO2を回収・貯留するだけでなく再利用するために
三菱重工グループの三菱造船(横浜市西区)は2022年2月2日(水)、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「CCUS研究開発・実証関連事業/苫小牧におけるCCUS大規模実証試験/CO2輸送に関する実証試験」で活用する液化CO2(LCO2)輸送の実証試験船の建造契約を、山友汽船(神戸市中央区)とのあいだで締結したと発表しました。
CCUSとは「Carbon Capture, Utilization and Storage」の略で、日本語ではCO2(二酸化炭素)の回収・利用・貯留技術と訳されます。石炭やLNGなどの化石燃料燃焼プラントから出る二酸化炭素を捕捉回収し、再利用可能なよう貯留する技術です。
すでに日本では、2012(平成24)年から北海道の苫小牧でCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)、すなわちCO2の回収・貯留技術に関する大規模な実証実験が行われています。
2016(平成28)年度からは、苫小牧港の海底にCO2を高い圧力で貯留する作業を開始していますが、脱炭素社会を目指す世界的な動きのなか、CO2の再利用までを含めたCCUSの方に軸足が移りつつあります。
そこで、日本もこれまでCCSの大規模実証実験を行っていた苫小牧でCCUSを行うこととし、それに関連してCO2の輸送が可能な実証試験船を建造することとなったのです。
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