京急の「歌う電車」2100形電車が運行開始した日 -1998.3.28
24年前の3月28日、「歌う電車」と呼ばれた京急2100形電車がデビューしました。
「ドレミファインバーター」で一世を風靡
1998(平成10)年の3月28日。京急の新型車両「2100形電車」が運行開始しました。京急では現在唯一の2扉車で、主に快特として運用されています。
この車両の大きな特徴のひとつが、愛称の「歌う電車」のとおり、発進時にモーター音が音階を奏でることです。このモーターはドイツのシーメンス社が製造したもので、モーターを制御する「VVVFインバーター」の特性により発生する騒音を、調整して生まれたものです。
人々から親しまれたこの「歌う電車」ですが、機器の更新で順次「歌わない電車」になっていき、2021年夏に最後の1編成が機器更新をうけ、京急からは姿を消すことになりました。
現在の電車は技術の進歩により、このモーターの騒音自体が人間の耳にほとんど聞こえないようになっているため、同様の「歌う電車」が今後誕生する可能性は低いと思われます。
2100形電車はモーター音のほかにも、京急では初の転換式クロスシート車としても話題になりました。電車が終着駅に着いて折り返す際、座席の背もたれが自動で一斉に移動し、座る向きを変える構造になっています。この仕組みは、京阪の特急用3000系電車が1970年代に初採用しています。
ちなみに、形式名の番号が2100となった由来は、京急が当時創立100周年を迎えていたことと、21世紀の幕開けを控えていたこと、などとされています。
【了】
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