英アエラリス 中東の安全保障イベントで「モジュラー飛行機」の実物大モデル初披露

モジュール式飛行機にカタールが出資。

ニーズに応じてコックピットもエンジンも交換可能

 イギリスのベンチャー企業アエラリス(Aeralis)は2022年3月21日、中東カタールで開催された国際的な海上防衛・安全保障イベント「DIMDEX2022」において「モジュラーエアクラフト」の実物大モデルを発表しました。

 発表会にはカタール首長のシェイク・タミム・ビン・ハマド・アル・ターニー殿下も出席したとのこと。実物大モデルは全長11.3m、翼幅10mあり、会場に展示された2つのうち1つはカタール空軍保有機をイメージしたカラーリングをまとっていました。

 なお、この実物大モデルはイギリス本土で製造され、今回のイベントのためにカタールまで運ばれてきたといいます。

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カタールで発表されたアエラリス製「モジュラーエアクラフト」の実物大モデル(画像:AERALIS)。

「モジュラーエアクラフト」は、これまでの航空機とは異なり、用途に応じて最適化されたパーツを付け替えることで、様々な任務に使用できるというコンセプトのもと開発されている軍用機です。

 こうすることで、要求される飛行性能や運用方法、教育・訓練体系に応じてコックピットやエンジンを載せ替えることが可能で、コア(中核)となる部分のみ共通化していればエンジンを単発(1基)にすることも、双発(2基)を選ぶことも、どちらも可能だといいます。

 すでに同社は、イギリス空軍において戦闘機の新技術開発などを担当している「ラピッド・カバレッジ・オフィス」(RCO)と3年間の研究開発契約を結んだほか、仏タレスや英アトキンス、独シーメンスといった大企業ともコラボレーション契約を締結しており、エンジンメーカーのロールス・ロイスとも搭載エンジンに関する覚書をやり取りしています。

 また、カタールの政府系ファンド、バルザンホールディングスとも投資契約を結んでおり、同社はアエラリスを支援するため、すでに予備設計段階で最初の資金提供を行っているそうです。そういったことから今回、カタールで発表会を行ったようです。

【了】

【コックピット交換可能】「モジュラーエアクラフト」の概念図ほか

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