「電気バス」日本で広まらないワケ メリットあるも「新しいものに慎重」ゆえ?
カーボンニュートラルが叫ばれるなか、日本では電気バスの数こそ増えているものの、広まっているとは言い難い状況です。今後の見通しを中国BYDの日本法人幹部が語りました。
中国BYDも7年で64台 みんな興味はある?
中国の電池・自動車メーカーであるBYD(比亜迪)の日本法人ビーワイディージャパン(横浜市)が2022年5月10日(火)、日本の路線バス向けとなる新型の電気バス2車種を発表しました。納車は2023年末からの見込みです。
BYDの電気バスは2015(平成27)年、京都市内を走る「プリンセスライン」に初めて導入されて以来、大型と小型の電気バスを中心に7年で64台が国内に納入されています。
一方、BYDの地元である中国・深センでは、すでに2017年時点で同社の電気バスが1.6万台も用いられています。なお、2021年の深センでは、市中の自動車のうちNEV(新エネルギー車。PHEV、EV、FCV)の占める割合が約30%にもなるそうです。
BYDの電気バスは日本市場において、現在のシェアは7割にも上るといいます。64台で7割ですから、電気バスの総数としては100台に満たない程度。なお国産大手メーカーには電気バスのラインアップがありません。
いすゞと日野は、車内に段差がほぼないフルフラットの大型電気バスを合弁会社のジェイ・バスで2024年から生産すると表明していますが、今回、BYDが発表したモデルのうち大型のK8は同様のタイプであり、BYDが先んじる見込みです。
ビーワイディージャパンの花田晋作副社長は、「7年経ってようやく台数が伸びてきている」というものの、日本における電気バス普及の壁について次のように話します。
「新しいものに対する慎重さがあると思います。ただ、みなさん非常に勉強されています。“いけるかな”となるまで時間を要すものの、導入する段階では、すでにかなり詳しくなっています」
電気バスに対する事業者の興味や手ごたえは確かなようで、本格的に普及する前に、少ない台数でメンテナンスのノウハウを蓄積できたことは大きいと話しました。
せめて搭載する蓄電池は日本製を採用してくれ、と願いたい
単純に維持管理コストが高いからでしょう。車両重量の半分が電池の重さになるのは一般的な使い方としてはとても非効率です。