JALが取り組む「カーボン・オフセット」とは何なのか? 北の大地で見た「知れば納得の使い道」

国内線だったら支払ってもいいかな…って金額。

美深町での植林などに

 JAL(日本航空)では、低燃費で環境負担の低い新型機の導入をはじめ、環境に考慮した取り組みを進めています。そのひとつが2022年にリニューアルされた「JALカーボンオフセット」というシステムです。

「カーボンオフセット」は、排出されたCO2(二酸化炭素)のなかで、運航の工夫などだけでは削減しきれないところを、ほかの場所で吸収したり、削減したりすることで埋め合わせるというもの。JALでは、環境保護などに関心の高い有志客などに対し、航空券代とは別に、航空移動で排出されるCO2を金銭で埋め合わせる仕組みを提供しています。これが「JALカーボンオフセット」です。

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JALスタッフも参加した美深町での植林の様子(2022年5月、乗りものニュース編集部撮影)。

 現行の「JALカーボンオフセット」は企業サイトからアクセスし、発着地や搭乗クラスなどを選ぶと、”金額”として利用者がオフセットするべき削減量が表示されます。これを支払うことで環境負荷の埋め合わせを達成できるという仕組みです(システムは別会社のもの)。羽田→新千歳を普通席(エコノミークラス)1名の場合、オフセット金額は216円となり、69.60kgのCO2を削減するのと同じ効果を持つとのことです。

 利用者が「JALカーボンオフセット」として支払ったお金はどこにいくのでしょうか。

 北海道の旭川と最北の稚内のちょうど中間あたりにあり、美深(びふか)町。85%以上が森林で構成されているという同町では、植林活動や子供たちとの木育活動といった「森林吸収プロジェクト」や、町内温泉施設への熱供給に、町内の木材を原料としたバイオマスを用いる取り組みなどを展開しています。これが「JALカーボンオフセット」で集められたお金の活用法のひとつです。

 同町のこれらの活動は、省エネルギー設備の導入や適切な森林管理によるCO2などの吸収量を「クレジット」として国が認証する制度、「J-クレジット」制度に登録されており、JAL利用者からオフセットされたお金は、この制度を通じ、これらの取り組みに活用されているとのことです。

【了】

【写真】なるほど! 美深町内産の「バイオマス」ができるまでの過程

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