「新千歳空港」なぜ「新」が付く? ほぼ変わらない場所に「旧千歳空港」 移転の理由
北海道を代表する空の玄関口といえば新千歳空港ですが、なぜ「新」が付くのでしょうか。かつてはあった「千歳空港」からの経緯を見ていきます。
千歳基地が「新」の付かない「千歳空港」だった
北海道を代表する空の玄関口といえば、新千歳空港です。羽田~新千歳線は、羽田~福岡線と並ぶ国内幹線のいわゆる「二大巨頭」で、世界でもトップ10に入るほど利用者数の多い路線です。
この新千歳空港の名前には「新」が付いています。しかし、たとえば成田空港の旧称「新東京国際空港」のように「羽田空港に次ぐ第2の東京への玄関口」という意味合いでもなく、開港からずっと千歳市と苫小牧市に位置しています。「新」が付かない「千歳空港」はどこにあったのでしょうか。
かつての「千歳空港」は、新千歳空港のすぐ隣にあります。現在の航空自衛隊千歳基地です。ここは1988(昭和63)年まで、いわゆる「軍民共用」の空港として、民間機と自衛隊機が同じ滑走路を使っている状態でした。
ただ、昭和の終わりごろは利用者数が1000万人に迫る勢いを見せるほど、民間機の航空需要は大きな伸びていた一方で、「東西冷戦」も続いていました。千歳空港では民間機だけでなく当然自衛隊機も離着陸するわけですが、当時のソ連軍機が日本の領空に近づくたび、同国に近い千歳基地の戦闘機がスクランブル発進をすることに。冷戦ピーク時には年間約200回行われたという記録もあります。
昔は「千歳は軍民共用だから冬でも必ず除雪されるんだよ」という人がいたものですが新千歳はどうなのでしょう?
そんなの関係ないですよ。
今は普通に除雪されます。