夢の“ぶっ飛び“乗りものどうなった? 超音速旅客機 ハイパーループ 宇宙エレベーター

ハイパーループと宇宙エレベーターって?

 ハイパーループと宇宙エレベーターはどうでしょうか。

ハイパーループ

 ハイパーループとは、真空のチューブの中を超高速で移動する新しい交通システムのこと。世界中で複数のチームが開発していますが、アメリカの電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスクCEOはこの新システムを開発するために「The Boring Company」という会社を2016年に設立しており、ハイパーループの本格的なテストは今年後半に行われるという趣旨のツイートを2022年4月26日に投稿しています。今後数年間で実用化する予定で、ハイパーループの最高時速は約1100キロにもなるといいます。

 また、6月24日には日立製作所がハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジーズ(HTT)とともに、ハイパーループの信号システムや運行管理システムなどを統合的に試験できるデジタルシミュレーターの開発に成功したと発表、ハイパーループの商用化に重要なマイルストーンを達成したと発表しました。

 こちらは、トンネル内をカプセル様の移動体で最高1200km/hにて移動する想定。次のステップでは、物理的な信号インフラとシミュレーションモデルの両方を実際のカプセルとデジタル的に統合し、フランス・トゥールーズにあるHTT社の試験線でシステム全体の物理的試験に移行するための道が開かれるとしています。

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日立製作所が関与するHTTのハイパーループのイメージ(画像:日立製作所)。

宇宙エレベーター

 人工衛星から地表まで下ろしたケーブルを伝って宇宙まで上がっていくという輸送手段が宇宙エレベーター(軌道エレベーター)です。日本では建設大手の大林組も2050年の運用開始に向けて宇宙エレベーターの開発を進めています。そのケーブルの長さは10万kmにも及ぶ想定です。

 実は宇宙エレベーターの仕組み自体は100年前に考案されていました。ただしケーブルを鋼鉄で作ろうとしていたため、ケーブルの強度が足らず千切れてしまうという懸念から実現が不安視されていました。そんな状況を一気に変えたのが、カーボンナノチューブです。炭素100%でできたカーボンナノチューブはとても軽く、引っ張る力に強いのが特徴です。鋼鉄と比較すると、強度は約20倍にもなります。これを伝って、車輪のついた電動の昇降機(クライマー)で上っていくのだそう。

 インフラとしての宇宙エレベーターが出来上がれば、膨大なエネルギーを使うロケットよりも容易に宇宙へ行けるようになり、宇宙開発や観光にも役立つと期待されています。ただ、目下の課題となっているのは、カーボンナノチューブを長くする技術。現在はまだ十数cmほどのものしか作ることができないそうで、これを10万kmまで延ばすには、カーボンナノチューブを接合するといった新たな技術が発見されれば、研究が大きく進展するといわれています。

【了】

【復活近い?】現代の超音速旅客機ほか 画像で見る

Writer: 高野真由

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