「山陰道」どこまでできた? 補正予算で改良工事前倒しも 日本海沿い縦断380km
あと数年で一気につながりそうです。
補正予算の概要が出る
国土交通省 中国地方整備局は2022年12月5日、今年度の補正予算について概要を発表しました。総額1405億円のうち、「山陰道」の整備に一部が配分されます。
山陰道は鳥取市から山口県下関市の小月まで、日本海沿いを380kmにわたり縦貫する計画の道路。現在はその55%にあたる208kmが開通済みで、27%にあたる104kmが事業中です。
補正予算の主要配分事業として挙げられているのは、次の5か所です。
●鳥取県
・「北条道路」湯梨浜町~琴浦町 13.5km、2026年度開通予定。
●島根県
・「出雲~仁摩」出雲市~大田市 37.1km、うち15.3km開通済み。2023年度12.9km、24年度8.9km開通予定。
・「三隅・益田道路」浜田市~益田市 15.2km、2025年度開通予定。
●山口県
・「木与防災」阿武町 5.1km、開通年次は未公表。
・「俵山・豊田道路」長門市~下関市 13.9km、開通年次は未公表。
いずれも、補正予算で改良工事などを前倒しすることで、着実な事業進捗を図るとしています。
このうち鳥取の北条道路が開通すると、鳥取県内は全通です。島根県内もほぼ事業化されており、上記2区間ができると、石見地方に未開通区間をいくつか残すのみとなります。
一方、山口県内は現状で開通区間20km、事業化区間33kmと、2県と比べかなり遅れています。ちなみに長門市から下関市のあいだは鉄道の山陰本線と違い、海沿いを回るのではなく山間部を短絡します。
山陰地方は歴史的に、山陽地方とを連絡する横断鉄道や道路が先に建設され、それらを中心に、東西方向の縦貫道が各所で延びてきました。それらが全て1本につながる日が、着実に近づいています。
【了】
こうやって全国に自動車専用道が延伸されていくと、鉄道利用者は自家用車利用に変わっていく。結果として鉄道利用者は減少し、鉄道は赤字に。赤字路線は廃止になる。当然の循環だ。国の交通政策にも矛盾がある。鉄道を守るのか、道路網を増やすのか? 一日数本の列車より、自分の好きな時間に、駅まで歩くことなく、行きたいところに直接行ける自家用車の利用が増えるのは当たり前だ。