「JR線を“夢洲”へ延伸、京阪は“ちょっと延伸”」でいける!? 大阪の「鉄道新線」計画が進展

大阪府と大阪市が「夢洲」への鉄道新ルートの比較検討結果を公表。JR線を夢洲へ延伸させつつ、京阪中之島線についてはルートを変える案が、従前の案よりも優位とされました。

夢洲へ北から行くで!

 大阪府と大阪市は2024年8月6日、「夢洲アクセス鉄道」に関する検討結果を公表しました。大阪・関西万博の開催地であり、その後はカジノを中核とした統合型リゾート(IR)が整備される臨海部の「夢洲」への新たなアクセス鉄道について、「JR桜島線」と「京阪中之島線」をそれぞれ延伸させる案に優位性があると結論づけました。

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大阪メトロ中央線の夢洲駅(画像:PIXTA)。

 この検討は、従来から国の審議会が整備すべきと答申していた2つの路線「北港テクノポート線」(新桜島~舞洲~夢洲、4.3km)および「中之島新線延伸」(中之島~西九条~新桜島、6.7km)と、新案の2路線を比較する形で行われました。

 なお、北港テクノポート線の「南ルート」(夢洲―コスモスクエア)については2025年1月に大阪メトロ中央線の延伸という形で実現しています。現時点ではこの区間が、夢洲への唯一の鉄道アクセスとなっています。

 新たな検討路線は「JR桜島線延伸」(桜島~舞洲~夢洲、4.9km)と「京阪中之島線延伸」(中之島~九条、2.1km)の2つです。夢洲へはJR桜島線を延伸させつつ、京阪中之島線については延伸先を変え、大阪メトロ中央線と阪神なんば線が乗り入れる九条駅へ接続させる案としました。

 結果、答申路線(2路線を合わせた中之島-新桜島-夢洲)は事業費約3700億円で輸送人員は1日あたり約6.9万人のところ、新案の「JR桜島線延伸」同2850億円、約9.4万人、「京阪中之島線延伸」は同約660億円、約3万人に。両路線を合わせても同約3510億円、約12.1万人という結果で、答申路線では1を下回った費用対便益費(B/C)も1.1~1.2と試算されました。

 桜島線延伸により新大阪―夢洲間は乗り換えゼロ(直通列車の場合)となり、所要時間は約9分短縮の25分になるとされています。京阪中之島線の延伸では、中之島~夢洲間が九条駅乗り換えで14分短縮の22分、京都の祇園四条~夢洲間が11分短縮の78分になるとされています。

 また、京阪中之島線の九条延伸は「京阪神都市圏を結ぶ新たな鉄道ネットワークの形成、京阪沿線や大阪都心部とベイエリアをつなぐ東西軸の強化」などが期待されるといいます。整備後40年以内の黒字転換も見込めるとしています。

 今後は、優位とされた検討路線について、事業費をさらに精査し、建設計画や運行計画など事業化の検討を進めるとしています。

【なるほど、こうなったか!】これが「夢洲への鉄道」&「京阪中之島線延伸」計画です!(地図/画像)

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