交通文化賞に"鉄道系音楽家"向谷実さんら3名 "Suicaの生みの親"も

「Train Simulator」の開発や多数の発車メロディを担当しています。

国土交通大臣により表彰

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音楽家の向谷 実さん。京阪の発車メロディをはじめ、さまざまな鉄道会社で音楽を手がける(画像:写真AC)。

 国土交通省は2022年度の第64回交通文化賞の受賞者を発表しました。

 交通文化賞は国土交通大臣が毎年、「公的活動、学術研究、芸術活動、国際的活動等を通じて、我が国の交通文化の向上に著しく貢献した者」に対して贈る賞です。

 今回の受賞者は、フュージョンバンド「カシオペア」の元キーボード奏者で音楽館社長の向谷実さんと、JR東日本の元執行役員の椎橋章夫さん、中央大学研究開発機構教授の秋山哲男さんの3名です。

 向谷さんは1956年生まれ。1995(平成7)年、カシオペアでの活動と並行しながら、鉄道運転シミュレーションゲーム「トレイン・シミュレータ」を開発。運転士の気分を味わえるゲームとして、実写映像を用いたのは世界初の製品でした。また2000年代に入ると九州新幹線の発車メロディや車内チャイムなどを担当し、京阪の「各駅をつなげると一つの曲になる」という発車メロディも担当。その後、阪神や東京メトロをはじめ、多くの鉄道会社に向谷さんの手がけたメロディが使用されています。

 椎橋さんは1953年生まれ。交通系ICカード「Suica」の開発に携わりました。JR東日本発足間もない時期に始まったプロジェクトは、自動改札機の読み取り時間による駅の混雑解消を目的として、いかに速く確実にカードのICを読み取り、いかに速くデータベースへアクセスし、改札を通すかの模索が続けられました。椎橋さんはその開発の「鉄道オペレーション部隊」を率いて、2001年に首都圏での本格導入を実現させました。

 秋山さんは1948年生まれ。研究分野であるユニバーサルデザインの観点からまちづくりに携わり、その研究成果と知見はさまざまな都市計画や交通バリアフリー政策などに活かされています。

【了】

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