永久欠番? 首都高「K4」路線はどこなのか 現地に残る“痕跡”

首都高には路線番号が連続しない欠番がいくつか存在しますが、そのうち神奈川線の欠番が「K4」です。この建設を見越した痕跡は、現地を走行中、容易に見ることができます。

二重高架の上段・下段両方に見える痕跡

 首都高湾岸線と横浜横須賀道路、横浜新道、保土ヶ谷バイパス方面をつなぐ首都高K3狩場線。うち石川町JCTと花之木出入口のあいだは、西行きが上段、東行きが下段に分かれた2層高架になるのですが、どちらの階層にも、阪東橋出入口の前後で“妙な空間”があることがわかります。

Large 230110 k4 01

拡大画像

首都高K3狩場線、未完のランプ接続部(画像:Google)。

 西行きは左側、東行は右側に橋桁が広がり、ランプが分岐するかのような空間があるのです。その拡幅分の橋桁はいったん途切れ、その先で、こんどはランプが合流するかのような空間が広がります。本線部と柵で区切られたこれら空間には、植栽が置かれているところもあります。

 これらは首都高の路線で欠番となっている「K4」の痕跡です。首都高の“神奈川線”は、K1からK7までありますが、K4が存在しないのです。

 かつては狩場線と湾岸線をつなぐ「磯子線」の計画がありました。狩場線の阪東橋出入口付近から南へ、掘割川に沿って南下、湾岸線の磯子までショートカットする3.6kmの計画で、並行する国道16号の混雑緩和を図る目的もあったとされます(首都高速道路公団三十年史)。その接続を見越したスペースが狩場線に残っているのです。ただし、首都高速道路によるとK4=磯子線と明記した資料はないといいます。

 しかし、磯子線の建設は実現しませんでした。2004(平成16)年の本牧JCT改良工事で、狩場線と湾岸線の本牧JCT以南の通行が可能になったことで、必要性が希薄に。磯子区によると、すでに都市計画も廃止されており、実現の見込みはほとんどないそうです。

 ちなみに、東京の首都高では「8号線」が見当たりませんが、100mほどのため案内されていないだけで、実際には存在します。“埼玉線”はS1川口線、S2埼玉新都心線、S5埼玉大宮線がありますが、S5は5号池袋線と連続しているために付番されたもので、S3とS4に相当する計画はありません。

 対して首都高の神奈川線各線は、開通順に路線番号が付与されています。そうしたなかで「K4」は、永久欠番になる可能性もあります。

【了】

【地図】首都高の欠番「K4」の位置(画像で見る)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。