沖縄の負担軽減につながるか? グアムに新海兵隊基地「キャンプ・ブラズ」開設
沖縄駐留海兵隊の半数近くが移転するとか。
グアムにとって30年ぶりの海兵隊基地
アメリカ海兵隊は2023年1月26日(木)、グアム島で建設中だった新基地「キャンプ・ブラズ」の開設式典を実施し、西太平洋における戦略的な作戦基地として活動を開始したと発表しました。
「キャンプ・ブラズ」は70年ぶりに新設された海兵隊基地(MCB)で、沖縄の基地負担軽減を目的に2012年の日米政府間における二国間協定で合意した、沖縄からグアムへの海兵隊作戦部隊の移転先でもあります。
そのため、日本も建設費用を拠出しており、総事業費86億ドル(日本円で1兆320億円)のうち最大31億ドル(同3720億円)を負担するとしています。
説明によると、グアムに海兵隊の基地が初めて開設されたのは、1899(明治32)年のこと。その後、1941(昭和16)年12月の太平洋戦争開戦まで海兵隊はグアムに常駐していました。日米戦が勃発したことで12月10日に日本が占領、同地のアメリカ軍部隊が降伏したことで、一時アメリカ海兵隊はいなくなります。
しかし1944(昭和19)年7月下旬にアメリカがグアムを奪還。翌1945(昭和20)年8月、日本の無条件降伏で戦争が終わると、グアムの海兵隊基地は再開され、西太平洋の拠点として約半世紀にわたり運用され続けました。ただ東西冷戦の終結と旧ソ連邦の崩壊によって1992(平成4)年に同海兵隊基地は閉鎖されており、今回の「キャンプ・ブラズ」の開設は、グアム島における三度目の海兵隊基地活性化になるそうです。
なお、「キャンプ・ブラズ」自体は島北部のアンダーセン空軍基地に隣接する場所に置かれます。基地名の由来はグアム出身の海兵隊員、ビセンテ・トマス・ガリード・ブラズ海兵隊准将。基地は現在も工事が続いていることから、式典そのものは島中部の太平洋国立歴史公園で、グアム準州トップのルー・レオン・ゲレロ知事や海兵隊司令官を始めとする日米両関係者が列席して執り行われました。
【了】
コメント