鹿児島中心街「まるごと地下トンネルでバイパス」鹿児島東西道路 「シールド準備中」いつ完成?

鹿児島版「築地虎ノ門トンネル」が誕生する!?

高速道路と市街地のアクセスを強化

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渋滞が著しい、鹿児島市街でJRをまたぐ「曙陸橋」(画像:国土交通省)。

 鹿児島市の中心部を東西に地下トンネルで貫いていくバイパス道路「鹿児島東西道路」の工事が進行中です。

 鹿児島市街は桜島と向かい合う形で、東側で海に面しています。いっぽうで西側は丘陵地帯となっていますが、九州道と南九州道、指宿スカイラインの終点「鹿児島IC」はいずれもこの丘陵の反対側にあるため、高速道路~市街地の道路がボトルネックとなって、深刻な交通渋滞を引き起こしていました。

 これらを直結するのが鹿児島東西道路です。鹿児島IC、田上ランプを出ると市街地をトンネルでくぐりぬけ、JR鹿児島本線も越えて甲南高校付近の中州通りで地上に出ます。総事業費は938億円です。

 既存の武岡トンネルは1988年に開通。渋滞が激しかったことから、並行して2013年に新武岡トンネルが開通し、朝夕のピーク以外の渋滞は大幅に緩和されました。しかしそこから市街側は依然渋滞が激しく、交通容量の拡大が求められてきました。今回、市街を大幅にバイパスすることで、高速から臨海部への交通を地下へ分散させ、市街交通の混雑緩和が図られます。なお構想路線として、臨海部を南北にむすぶ「鹿児島南北幹線道路」の検討も進められています。

「鹿児島東西道路」のトンネルはシールド工法で掘進されます。2020年から甲南IC部でシールド出発点の開削が開始。鹿児島市議会での報告によると、2022年3月からシールドの組み立てがはじまり、ことし5月末をめどに完成させるとしています。さらに騒音防止の防音ハウスの設置作業も行われているのとのこと。周辺では、取りつけ部の橋梁部の工事が先行して進められています。
 
 シールドマシンによる掘削が開始すれば、あとは貫通まで、外から目立った動きはわかりません。完成までは、シールド工事で7~8年、ランプ工事で2~3年、そこから舗装工事を経て「10年ちょっと」かかる想定となっています。

 ちなみに、東京都心では同様の「市街地をまるごとトンネルで抜ける」事業が、全通を迎えたばかりです。虎ノ門から築地大橋へ抜ける、環状第2号線の「築地虎ノ門トンネル」で、第一京浜や汐留、浜離宮前の交差点の信号待ちも解消され、都心~臨海部のアクセスが格段に向上することとなりました。

【了】

【「鹿児島東西道路」ルートと工事状況】

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