なぜプロペラ機でLCC? 新潟の新航空「トキエア」の斬新な戦略とは “先駆者”とは少し違う!

新潟空港を拠点とする新規航空会社「トキエア」が就航にむけ準備を進めています。「プロペラ機で地方間を手頃な価格で結ぶ」というコンセプトを持つ同社は、どのような戦略を立てているのでしょうか。

トキエアはなぜプロペラ機で運航する?

 トキエアが保有機としてプロペラ機を選択したのは経済上の理由があります。重量がジェット機より軽く、空港の着陸料を65%程度安くできるのです。飛行距離が長いほど、速度のうえではジェット機が有利ですが、飛行距離と運航費を比較し、同社は運航コストの削減に主眼を置いたのです。

 拠点空港の立地上の問題もありそうです。FDAは太平洋側の県営名古屋空港などを使うのに対し、トキエアは降雪のある日本海側の新潟空港だからです。

 年によって差はありますが、記録的な大雪だった2017年から2018年にかけての冬、新潟空港では、330便が降雪の影響で欠航しています。また、たとえ運航ができても、機体へ散布する防氷・除雪費がかかります、機体が大ぶりであれば、その費用はなおさらかさむことになります。

 そして、就航先の丘珠空港は、1500mの滑走路しかないことから、冬季はジェット旅客機が発着できません。さらにトキエアは今後の目玉として、現在定期便が海路のみで、滑走路も890mしかない新潟県の離島「佐渡空港」への航空路線の開設を掲げています。

 こうした豪雪地帯にあり、かつ小規模な空港を始めとする空港へ日常的に発着するとなると、トキエアが速度で劣ったとしても、長い滑走路が必要なジェット機ではなく、プロペラ機を選んだ理由も理解できる気がします。

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新潟空港に駐機中のFDA機(乗りものニュース編集部撮影)。

 同社の目玉のひとつである佐渡空港就航に向け、トキエアはATR72-600以外の新型機も導入する見込みです。それは、2022年5月に初飛行したATR42-600Sというもので、客席数は40人程度であるものの、短距離離着陸に優れたモデルです。また、ATR72-600においても、1機は乗客が少ない時期に貨物搭載型へ変更して、収益を上げる工夫も凝らしています。

 日本の航空界では、独立系の航空会社の新規参入は常に懸念が示されます。FDAも設立当初は事業化が心配されましたが、今も地域を結び飛んでいます。地方どうしを結ぶ路線が今以上に広がることを期待します。

【了】

【写真】…公民館? トキエアの目玉、コンパクトすぎる「佐渡空港」に潜入

Writer:

日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。

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