「溺れた人を救って!」東京消防庁10年ぶり披露 知られざる水難救助の最前線 最新のタグ型消防艇も

水に浮くフローティング担架で素早く船上へ

 臨港水難救助隊の隊員がブイを設置すると、再び「はまかぜ」に乗った浜町水難救助隊が合流。ブイを基準に6人の隊員が等間隔で並ぶと、潜水を開始し水中で検索活動を行います。陸上では臨港水難救助隊長が海面の隊員と連携しながら水温や視程の情報を共有しつつ、水中に入った隊員の位置を把握し続けました。

 しばらくするとブイが浮き沈みを繰り返し、ダイバーが要救助者と共に海面へ浮上。水面に浮くフローティング担架へ収容し、待機していた「しぶき」の甲板上に引き上げます。懸命の救助活動で釣り人は息を吹き返し、最後は全員が立ち上がって手を振りながら水難救助訓練を終えました。

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要救助者をフローティング担架へ乗せて、消防救助艇の近くまで泳いできた東京消防庁の水難救助隊員(深水千翔撮影)。

 2023年現在、東京消防庁は9隻の消防艇を保有しており、海や川に面する臨港、日本橋、高輪の各消防署に配置されています。水難救助訓練は有明西ふ頭公園の前面という狭いエリアが会場になったため小型の消防艇だけで行われましたが、もうひとつの消火・救助訓練では大型消防艇3隻による一斉放水も実施されています。この大型消防艇も救助訓練の終了後に紹介が行われました。

 まず高輪消防署港南出張所の大型化学消防艇「ありあけ」が放水しながら登場。同船は全長23.2m、総トン数40トンで、東京港内の船舶火災や河川での災害にも対応可能な化学消防艇として、同型の「かちどき」と共に配備されています。重心が低く安定したフラットな船体形状が特徴的で、河川航行時に橋の下を通過できるように可倒式の放水塔を採用しています。

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