「溺れた人を救って!」東京消防庁10年ぶり披露 知られざる水難救助の最前線 最新のタグ型消防艇も
2023年6月に開催された東京国際消防防災展で、10年ぶりに披露された水難救助の訓練展示。東京消防庁が誇る大小さまざまな舟艇とともに、水難救助のプロフェッショナルたちの「妙技」が、余すところなく披露されました。
新顔も参加した10年ぶりの訓練展示
続行してきたのは、臨港消防署の大型消防救助艇「おおえど」です。全長37.6m、総トン数は198トンで、旋回式のプロペラを2基備えています。
消防機関としては日本初となるタグボート型の消防艇で、航行不能となった7万総トンを超える大型船を、安全な水域まで曳航したり、船首で押して船の向きを変えたりできる性能を持っているのが特徴。同船の導入によって船舶火災への対応能力が向上しました。船体中央には「バスケット付き屈折放水塔体」を装備し、大型化が進むクルーズ船のデッキへ消防隊員や資器材の投入、要救助者の救出を行えるようにしています。
そして最後にやってきたのは同じく臨港消防署の大型化学消防艇「みやこどり」です。全長43.2m、総トン数195総トンと東京消防庁が保有する消防艇の中では最大級。広域応援隊として東京湾以遠を航行する能力も持っています。
放水砲を計6基備えており、消火能力は、消防ポンプ車35台分に相当する毎分7万リットルを誇り、タンカー火災や沿岸のコンビナート火災にも対処できるほか、大規模災害にも対応可能なよう緊急処置用のベッドや資器材まで搭載しています。
この舟艇隊や水難救助隊による訓練展示は2013年以来10年ぶりの実施で、メイン会場からは徒歩20分程度離れていたものの、時間になると多くの来場者が訪れ、現場は盛況でした。
岸壁では、多くの子どもたちが目を輝かせて訓練を見ていたことから、普段なかなか目にすることのない東京港を守る消防の舟艇隊や水難救助隊を知る、良い機会になったのは間違いなさそうです。
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