「車間距離=速度」は日本独自!? 本当の車間距離は「心で数えるべし」最新事情は

近年は「車間時間」が主流に?

 とはいえ、渋滞時に車間距離を広くとっていると、どんどん前に割り込まれてしまい、正直者がただ損する羽目になります。そこで、車間距離の代わりに「車間時間」という考えも提唱されています。

 たとえば埼玉県警は2014年から「安全車間距離保持『0102運動』」を展開しています。これは、前車が電柱や標識など目標物を通り過ぎてから「ゼロ、イチ、ゼロ、ニ」と数え、「ニ」の時が前のクルマからちょうど2秒の間隔という目安になっています。

「車間時間2秒」というのは速度に関係ない指標のため、シンプルに実践できるというメリットがあります。

 先述の高速道路調査会の発表では、80km/hで走行中、クルマの割り込みに必要な時間が「車間時間約2.2秒」と算出したうえで、「渋滞時は2秒、それ以外は2秒以上、トラックなど急減速が難しいクルマの後ろだと3秒以上」が望ましいとしています。

 なお同発表では、アメリカではこの「車間時間」の考えが一般的で、前のクルマの足元まで自車が到達するのが1秒なので、3秒あければ十分安全だ、としているそうです。欧州の道路管理者会議では調査で判明した国と地域のすべてがこの「車間時間」方式を採用していると明らかになっています 。

※ ※ ※

 十分な車間距離をあけずに前車へ「ビタ詰め」していると、同時に視野も狭まってしまい、周囲の状況にとっさに対応するのが難しくなってしまいます。詰めたところで差は数秒もありません。心に余裕をもった運転を心がけましょう。

【了】

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