一宮JCT渋滞の先で「中央分離帯バキバキに壊してます」 名神の"コスパ高い渋滞対策"とは
名神高速の一宮JCT周辺で、リニューアル工事とともに渋滞対策が行われています。どんな内容なのでしょうか。
6月中旬まで車線規制
名神高速道路の渋滞名所といえば、東海北陸道と接続する「一宮JCT」です。分岐と合流で交通流が交錯することで速度低下を引き起こし、慢性的に長い渋滞が発生しています。
現在、この付近でリニューアル工事が実施されています。小牧IC~大垣ICの上下線2工区で、6月中旬まで昼夜にわたり、片側2車線のうち1車線が規制となります。規制範囲は工事に応じて順次移動していきます。舗装をすべて剥がし、下のコンクリート床版の補修も行う大掛かりな工事です。
さて、このリニューアル工事と同時に、一宮JCT東側では、中央分離帯の縁石も派手に破砕撤去されています。何をしているのでしょうか。
この様子をSNSで公開したNEXCO中日本 名古屋支社は、「暫定的に3車線分の道路幅を確保するため、中央分離帯側の縁石を撤去する工事を行っています」としています。慢性的な渋滞を緩和するため、車線幅と路肩を少し狭め、もう1本の車線を捻出する取り組みです。
範囲は小牧JCT~小牧ICのうち上下線2.7km。同支社によると、道路構造令などで定められている車道幅や路肩幅を確保するには、現状だと幅が少し足りないとか。それで縁石の分の幅を捻出する必要があるといいます。
ここでの片側3車線化は、今あるインフラのままで最大限活用し、さらにリニューアル工事と一体で行うことで、コスト最小限で実現を図っているわけです。
なお「暫定3車線化」というのは、いずれ3車線用の正式な構造物を建築するという意味ではなく、単に「利用状況によっては2車線に戻すこともある」という意味合いの「暫定」だそう。過去には、東名の音羽蒲郡IC~豊田JCT間で同様に暫定3車線化が行われ、渋滞緩和に寄与しましたが、その後に新東名が開通し交通量が減ったことを受け、2車線へ戻された事例もあります。
車線規制は6月半ばまで。片側3車線化にあたっては、路肩だったところを車が走るようになるため、橋桁端部の補強を行う工事と、緊急時の非常駐車帯の追加設置を行います。
【了】
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