夏場の車に「モバイルバッテリー忘れた」実はかなり危険だった! スマホも携帯扇風機も要注意
停車しているクルマにスプレー缶などの可燃物を放置するのは禁物――これはよく知られますが、他にも放置注意なモノは多数あります。特に、昨今様々な機器に搭載されているリチウムイオン電池は忘れがちかもしれません。
リチウムイオン電池は高温で変形する
夏場の炎天下における車内は、ときに60度以上の灼熱地獄になるケースもあります。こうした停車中の車内にスプレー缶やライターなどの可燃物を放置していると、発火や爆発の危険があるのはよく知られるところですが、もっと身近なものも。実はスマートフォンやノートパソコン、モバイルバッテリーなども発火する可能性があります。
2023年6月27日、NITE(製品評価技術基盤機構)が炎天下の車内でモバイルバッテリーが発火する可能性があると発表しました。調査によると、モバイルバッテリーやスマートフォンなどに搭載されているリチウムイオン電池が、高温の影響で異常な反応を起こし、そのまま放置していると電池が破裂し、発火する恐れがあるということです。
NITEのホームページでは、実際に気温30度、快晴下の車内で約2時間放置したモバイルバッテリーが発火した事例なども紹介しており、「高温下での使用や保管を禁止している製品は自動車内に放置しない」と呼びかけています。
また、炎天下の車内にモバイルバッテリーを置き忘れた状態を想定したテスト結果も公表しており、モバイルバッテリーが車内で変形し激しく燃え上がる映像もあります。
JAF(日本自動車連盟)が過去に行った調査では、炎天下での車内温度は1時間も経たずに50度を突破。何かの拍子にスマートフォンなどを放置しがちなダッシュボード付近は79度にも達し、フライパンに落とした生卵は目玉焼きとなり、100円ライターには2~3時間で亀裂が生じるという状態でした。この実験にはスマートフォンも使用されていましたが、高温警告の画面が表示され、一部を除く機能が使用不可となっていました。
リチウムイオン電池は2023年現在、スマートフォンやモバイルバッテリー、ノートパソコン、デジタルカメラなど以前から定番だった製品のほかに、加熱式たばこや携帯型扇風機など用途が広がっています。車内に置いていいものか、今一度確認する必要があるかもしれません。
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