「効き」と「持ち」を両立! トーヨータイヤから新登場したトラック・バス用スタッドレスタイヤ「M939」を雪上試乗。その性能と進化した実力をチェック!
2024年問題への対応も視野に
また、運輸・運送業界では、2024年問題やドライバーの高齢化・人材確保など、慢性的な労働力不足への対応にも迫られています。そうした状況を踏まえると、タイヤ交換の頻度が少なくて済むことは、タイヤメンテナンスにかかる時間・費用・人員の削減につながります。この「低メンテナンス性」も、次世代のスタッドレスタイヤでは必須のポイントといえるでしょう。
そこでトーヨータイヤでは、「効き」と「持ち」を両立させ、さらに「低メンテナンス性」をコンセプトに置いた、次世代向けトラック・バス用スタッドレスタイヤ「M939」を開発。
新機軸を多数盛り込み誕生した「M939」
従来モデルの「M929」も、発進力・制動力・旋回性能・耐摩耗性能・低メンテナンス性の各項目においてバランスが良いタイヤとして高い評価を受けていましたが、「M939」では、それらの面においてさらなる性能向上を目指しました。
まず「効き」の面では、タイヤのパターンデザインの工夫による氷雪上性能をアップしています。ブロック内に波型のサイプを高密度で配置することでエッジ要素を確保できる「高密度ウエーブサイプ」の採用により、タイヤ内のサイプの総延長を「M929」比で13%も増やすことに成功。アイス路面での高いエッジ効果を発揮します。
さらに雪の目詰まりの抑止効果を確保するべく、幅広い主溝を持つ「ワイドメイングルーブ」が、スノー路面やシャーベット状の路面での性能確保に貢献します。
続く「持ち」に関しては、偏摩耗を抑制する「ワイドセンターブロック」、耐摩耗性能を向上させる「周方向連結ブロック」が効果をもたらします。前者は、特に接地圧力が高いセンターブロックの幅を「M929」より20%広げることでタイヤ接地幅方向の圧力を均一化。後者は、ブロックを大型化したうえ、周方向に連結させることで前後の剛性を「M929」と比べて36%も強くしています。ブロックが路面に接地した際に起こる動きを抑えることで、偏摩耗や耐摩耗性・低メンテナンス性を向上させました。
これらの新しい技術を投入したことで、同社テストにおいてアイス路面での制動性能を「M929」比で4%向上。耐摩耗性能でも推定摩耗ライフが7%向上、偏摩耗の発生については45%も低減したといいます。
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